「想像すらできなかった」を英語4語で表現するには
「そんなこと、想像すらできなかったよ」「考えもしなかったよ」と言いたいとき、英語でどう表現しますか?
I did not even imagine it would happen.とか、It was beyond my imagination.などという表現が思い浮かぶかもしれません。もしくは、もっと簡単にI didn’t think about it.で済ませてしまうかもしれません。
【第89回】「想像すらできなかった」を4語で表現するには
しかし、もう少し自然な表現で、かつ簡潔に表現したいときには、Who would have thought.が使えます。「誰が考えられただろう」という意味。「Would have + 過去分詞」や「Could have + 過去分詞」を学校の英語の授業で学んだ記憶があるかもしれません。「過去の事実に反することを表す」とか「(やればできたけど)しなかったこと」などを表現します。
したがって、Who would have thought?というのは、「誰も思わなかった・考えつかなかった」という過去の事実がある中で、「思えたなら・考えついたなら」という意味。例えば朝から快晴の天気だったのに、突然の豪雨に見舞われたとき、Who would have thought this morning that it would rain by noon?(今朝の段階で、昼前に雨になるなんて誰が思えただろう)と言うことができます。
結婚式で、新郎新婦の馴れ初めを友達が話すときにも、「まさかこの2人が結婚するなんて、誰も想像すらしませんでした」という意味で、Who would have thought that we would be here to celebrate their marriage?(私達がこの場で2人の結婚を祝うことになるなんて、誰が想像できたでしょう?=誰も想像できなかった)ということもあります。
細かいニュアンスを伝えるのは大変かも
似た表現で、Who would have thunk?というものもあります。Thunkという単語にはきっと馴染みがないのではないでしょうか。スラング表現の1つです。Thinkの過去分詞形はThoughtですが、ネイティブスピーカーが「いかにもありそう」と思う「Thunk」という活用をさせた表現(実際にはない単語です)。
これは「誰が思えただろう?」ではなく、「そんなことは想像に難くない」「予測できた」という全く逆の意味を持ちます。つまり皮肉表現です。例えばシーズンを通して調子の良かったスポーツチームが優勝したという知らせをニュースで見た時に使えるでしょう。
人気の映画のPart2が公開され、Part3も公開され、Part4の公開が発表になったときにも使えます。「決裂は時間の問題」と思っていた交渉が実際に決裂したと聞いた時にも使えます。
ノンネイティブスピーカーが皮肉表現を使う場合、細かいニュアンスの理解が足りなくて、余計な誤解を招いてしまうこともありえますから、注意することが必要です。自分が口にすることはなくても、耳にした時には理解ができる、というふうにしておくといいですね。
<TEXT/同時通訳者 木内裕也>