手取り12万円からアマゾンジャパン社員に。逆境下でのキャリアの築き方
「キティちゃんってスゴイな」でライターに
――セガをやめたのち、どのような仕事をしようと考えていましたか?
土井:「クリエイターになりたい」と思いました。キッカケは、ゲームセンターに勤務していたころ、当時ブームだった「キティちゃん」関連の景品が入ったゲームの売り上げが跳ね上がるのを見て「これはスゴイな」と気づいたこと。著作権ビジネスの力に圧倒され、そこからクリエイターを志すようになりました。
――多くあるクリエイターの分野から、なぜ出版を選んだのですか?
土井:「何か作らなきゃ」と思ったとき、自分のスキルである程度勝負できる分野は何かを考えました。そこで「言葉ならいけるかもしれない」と。出版業界を中心に転職先を探し始めると、求人が大量にあることに気づきます。
今思えば、あれは多くの出版社がブラックすぎて大量に人が辞めていたからなのですが、当時は何の疑いもなく「いいじゃん、編集者」みたいなノリで志望しました。1回目の就職は理詰めで失敗したので、2回目はあえて直感を重視してみたんです。
1日20時間労働も手取りは12万円
――出版社の社員ではなく、あえてライターを選んだ理由は?
土井:出版社もいくつか受かっていたのですが、「一番学びになりそう」という理由で最低時給かつブラック労働が当たり前というライター事務所にアルバイトとして入りました。1日20時間働かされる日もあるのに、手取りは12万円くらいでしたね(笑)。
――その後はライターとして活躍し、日経ホーム出版(現日経BP)社へ入社。ここまでは同業界ですが、そこからなぜアマゾンジャパンに入ったのですか?
土井:担当していた就職雑誌の企画でインターネット転職サイトを取り上げた際、私自身も潜入取材という形で転職サイトに登録してみたのがキッカケです。大量のオファーが来たので、試しにとあるIT企業を受けてみたところ、内定をもらってしまいました。
そこから当時来ていたオファーを片っ端から受けたのですが、そのなかにアマゾンジャパンもあり、本当に面白い会社だったので興味をもちましたね。もともとアマゾンジャパンの評判は聞いており、内定をもらったので入社してみることにしたんです。