ウエルシア薬局、弁当まで買える“コンビニ化”で好調。バイトや社員の声は?
酒屋や飲食店など、身近なサービス業が長期の外出自粛による人通りの減少によって軒並みダメージを受けているなか、好調な業態が「ドラッグストア」です。主要ドラッグストア各社の「月次報告」から、2020年3~5月自粛期間中の「全店売上伸び率」を比較してみたところ、マツモトキヨシ以外は昨年同月と比較して売上が伸びているのです。
外出自粛期間中に前年度で売上が伸びている業界は限られているので、明るいニュースのひとつであると言えるでしょう。今回はドラッグストアの中から「ウエルシア薬局」を取り上げます。ウエルシア薬局は医薬品・調剤薬局を充実させるだけにとどまりません。
2018年12月に開店した「O-GUARD(オーガード)新宿店」では、コンビニスペースを充実させ、弁当や淹れたてコーヒー販売機を設置し、24時間営業に対応するなど「薬も買えるコンビニ」と言ってもよいでしょう。それ以外の店舗でも、食品までそろうコンビニ化が進んでいます。
そんなウエルシア薬局の実力について、Twitterアカウント「アラートさん」(@blackc_alert)が、解説していきます。
業績推移:好調そのもの
まず、売上高・営業利益・経常利益・当期純利益推移をグラフにしました。2009年~2014年までは8月期末でしたが、2015年2月期をもって2月期末に切り替えたことにより、2015年2月期は「6か月のみの実績」という変則的な内容になっていることに注意してくださ(本稿で筆者が作成したグラフに関しては全て同様です)。
2015年2月期を除いても一貫して右肩上がりとなっており、非常に好調な推移となっています。特に2020年2月期は「感染症予防対策商品等の需要増により物販プラス」となっており、コロナウイルス対策用品(マスク・消毒用アルコール・ウエットティッシュなど)によって売上にプラスの影響があったと言える結果でした。
全体の店舗数も566店舗(2009年8月期末)→2,012店舗(2009年8月期末)と11年間で3.5倍規模になりました。大手ドラッグストア・薬局の例に漏れず、ウエルシアHDも日本各地の小規模薬局の買収を積極的に行っているものの、基本的には「ウエルシア薬局」ブランドが主力です。
海外店舗も存在しているものの、全体に対して数値が少なすぎるため、グラフデータが存在していません。したがってウエルシアHDも国内主体の企業グループとみなして良いです。