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UberEats配達員は、意外と高年収?急伸するフードデリバリーを分析

ビジネス

求められる人間中心のデジタル変革

 Uberの筆頭株主はソフトバンク・ビジョン・ファンド。出前館は3月にLINEの追加出資を受け入れ、実質子会社化されます。2019年10月のZホールディングス-LINE経営統合後の動きはまだ見えませんが、大阪エリアで新規参入した滴滴出行「DiDiフード」を含め、どのプレイヤーが勝ち残ってもソフトバンク色になりそうです。

 いずれPayPay経済圏との連携も進むのではないでしょうか。楽天デリバリーが自社配送サービスを復活させるのかどうかも気にかかりますが、新規参入した通信事業やEC市場死守に忙しいかもしれません。

 2020年8月期 第2四半期の連結業績(2019年9月1日~2020年2月29日)で「資本力のある大手競合他社と比較すると、抜本的な攻めの投資が十分に行われたとは言えない状況」と危機感を露わにする出前館は、LINEのデジタル人材50名を投入し、「既存システムの抜本改修」を計画しています。

 配達場所の具体的な入口や入館方法、美味しく運ぶ工夫、そしてお店と注文主の人柄といった、データ化しづらいけれど多様な配達員が溜めてきた情報がデジタルに共有されるシステムなら、もっと楽しく働けるはず、というUberドライバーの声はリアルです。食という最も原始的な生理欲求を満たすサービスだからこそ、人間中心のデジタル変革が求められるように思います。

<TEXT/WACA上級ウェブ解析士 清水響子>

法政大学院イノベーション・マネジメント専攻MBA、WACA上級ウェブ解析士。CRMソフトのマーケティングや公共機関向けコンサルタント等を経て、現在は「データ流通市場の歩き方」やオープンデータ関連の活動を通じデータ流通の基盤整備、活性化を目指している

【調査・分析データについて】
ネット行動分析サービスを提供する株式会社ヴァリューズが提供する、ネット行動ログとユーザー属性情報を用いたマーケティング分析サービス「VALUES eMark+」を使用しました。データはヴァリューズ保有のAndroidスマートフォンモニター(20代以上)での出現率を基に、国内ネット人口に換算して推測しています。

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