木村花さん逝去で考える、ネットの誹謗中傷を訴えるには?
情報開示請求にかかる弁護士費用は…
「情報開示請求の対象が『ヤフー知恵袋』(ヤフー・ジャパン)、『アメブロ』(サイバーエージェント)など国内で運営されるサービスであれば話は変わりますが、その場合でも弁護士に頼むのがもっとも現実的な手段でしょう」
ちなみに清水弁護士によるとこうした訴訟にかかる費用は「SNSプラットフォーマーなどに対する裁判(仮処分)、プロバイダ(OCNやソフトバンクなど)でそれぞれ25万~40万円」とのこと。
開示請求は、当人(被害者)が行使することが原則であるため、被害者個人で訴訟を起こすことも可能です。
しかし「裁判所への申し立てや海外法人を相手取った訴訟になるため、やることが煩雑すぎて手に負えないでしょう。ツイッターの場合は、アカウントや投稿が削除されても、1か月以内であればアクセスログが保存されています。なので、それまでに情報開示請求をしなければなりません」(清水弁護士)と言います。
本当のことを発言しても名誉毀損に
では、こうして弁護士を介して情報開示請求を行い、投稿者が判明。実際に裁判を起こすことになったとします。……どこまでが名誉毀損として認められるのでしょうか?
「投稿単体でなく、それまでの文脈で判断されるため、どこからどこまでがダメと線引きをするのは難しいです。ただ、権利侵害のうち、例えば名誉毀損は、大前提として発言によって社会的評価が低下したときに成立します。『あの人は詐欺師です』と言えば社会的評価が下がるといえ、名誉毀損になることになります」
本当のことを言ったとしても名誉毀損になってしまいかねないが、どうすればいいのでしょう……。清水弁護士によれば「名誉毀損であっても、その投稿や発言に公共性・公益目的・真実性があれば違法性がないと判断されます」とのこと。
公共性や公益目的はなんとなく意味が伝わりますが、真実性とは?