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「30代ロスジェネ世代」は若者が苦手?クールで個人主義な上司のトリセツ

学び

 あなたの職場にもこんな困った人はいませんか? 自分のことしか考えない協調性ゼロの同僚、プライドだけ高くて仕事しないオヤジ。いつも上から目線のイヤミな奴、権利ばかり主張して義務を果たさない人などなど……。

上司

※イメージです(以下同じ)

 働き方改革や新型コロナショックを契機として、我々の働く環境が大きく変ろうしているにもかかわらず、程度の差はあるものの多くの職場ではこのような厄介な人たちが生息しています。

 前回の「50代・バブル世代」との付き合い方の記事に引き続き、今回も、ある中堅メーカー営業3課のメンバーとともに、クールで個人主義の面が強いと言われる「ロスジェネ世代」の特徴と付き合い方を見ていきましょう。

なぜかクールに振舞うロスジェネ世代

「渡辺さんは長期休暇ですか? 年度末なのに、数字大丈夫なんですかね…?」

 自分の目標数字が渡辺さんより低いにも関わらず、アップアップしている山本君には信じられないことでした。

「もう目標は達成したので余裕みたいですね」営業事務の佐々木さんが応えます。

 課全体の目標値にはまだ未達で、イライラしている浅野課長は、自分の数字だけにしか興味を持たないロスジェネ世代の渡辺さんのことを話題にすると、「面白くない」という顔をします。

「もう少し、部署全体のことを考えてフォローしてほしいんだけどなあ…」

 こうボヤく浅野課長も、最近、渡辺さんにさりげなくフォローのお願いをしたのですが、その意図が汲まれることはありませんでした。

「デキる先輩なので、前に営業のコツを聞いてみたんですけど、あっさりとした対応でしたね」

 山本くんも渡辺さんとどのような距離感で接すればいいのか戸惑っているようです。なぜ、渡辺さんのようなロスジェネ世代の人はクールに見えるのでしょうか? そこには、上昇志向を持ちにくい社会背景や、厳しい競争にさらされたがゆえの現実的な思考があります。

ロスジェネ世代って本当に可哀想?

ビジネスマン

 空前の好景気を謳歌した現在50代のバブル世代は、空前の売り手市場でもありました。本来なら能力的には入れなかった一流企業に入社したバブル世代と、欲がないと言われる20~30代前半のゆとり・さとり世代との間に挟まれたのが、現在30代後半〜40代前半・ロスジェネ世代です。

 ミレニアル世代とか就職氷河期世代ともいわれますが、日本経済では失われた20年といわれる、その時代にリンクした世代で、おおむね1993年頃から2000年代前半くらいに社会人になった人たちを指します

 この世代はある意味、いちばん割を食った世代でした。彼らの上にいるバブル世代は大量採用で慢性的にポストが不足しています。ロスジェネ世代が上に行くにはつかえている数が多すぎるので、なかなか出世のポストが回ってきません。

イマドキ部下のトリセツ

イマドキ部下のトリセツ

人事のプロが教える、部下を動かす「しくみづくり」の教科書。世代ごとに変わる部下とのコミュニケーション術、キャリア・コーチング術などが理解できる

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