新型 iPhone SEが発表。eSIM対応でスマホがもっとお得に
eSIMが使えるiPhoneは?
eSIMに対応しているのは、新型iPhone SEが初めてではない。すでに発売されたiPhone XS、iPhone XS Max、iPhone XR、iPhone 11/11 Pro/11 Pro MaxでもeSIMを利用することができる。
新しいeSIMは従来型のnano-SIMと併用可能で、1台のiPhoneを2つのモバイル回線と紐つけて、切り替えながら使うことも可能だ(これを「デュアルSIM」と言う)。
iPhoneをデュアルSIMで使う場合、片方はnano-SIM、もう片方はeSIMに対応したプランを別々に契約する必要がある。その都度有利な回線を選べるという点がメリットだが、信頼できる回線がひとつあれば、必ずしもデュアルSIMにする必要はない。
デュアルSIMが役立つケースとしては、大手キャリアとの契約を(nano-SIMで)残しつつ、気になるMVNOの格安プランを(eSIMで)試したい場合などが挙がる。
なお、新規参入のMNOである「楽天モバイル」もeSIMに対応している。「楽天回線」の対応エリアは限られるものの、「iPhone SE×楽天モバイル」という「最新×最新」の組み合わせは今後有力になっていきそうだ。
これからのキャリア選びにも影響か
日本では長らく、「どのキャリアを選ぶか」がユーザーにとっての最重要事であった。
携帯電話の普及が本格化した90年代以来、大手3社は端末メーカーとタッグを組んで、他社を出し抜くような高性能機を世に出すことに躍起になっていた。
さらに言うと、同じ携帯会社を選ぶ同士では、ちょっとした仲間意識もあった。たとえば「J-PHONE同士ならスカイメールで連絡できる」とか、そういうきっかけで友だちと親しくなれた時代も懐かしい。
かつては携帯キャリアこそが「ブランド」だったが、iPhoneの上陸以降、ユーザーにとって重要なのは端末の「ブランド」に変わった。2010年代初頭には「iPhoneを使いたいから」という理由で、docomoのユーザーがSoftbankに流れたこともあった。
しかし「SIMフリー端末」が当たり前になった今、大手キャリアというブランドは、かつての地位を失いつつある。今日進んでいるeSIM化は、その傾向に拍車をかけることになるだろう。