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新卒でベンチャーに入らない方がいい。元メガバンク人事が語る“就活論”

学び

起業して感じた「大手企業出身である」強み

――そういった大手の強みは、起業をして感じたんですか?

ただの元人事:そうですね。例えば「Matcher」で「ローカル信用金庫 人事」と書いていても誰もクリックしないですから(笑)。それに、新卒紹介サービスの会社がやるような「ベンチャー行きなよ」みたいな金儲けのスタンスは気持ち悪いなと思う。

――転職エージェントではなく、新卒の学生を相手に就活のノウハウを教える「新卒紹介サービス」は今人気ですが、金儲けのスタンスとは?

ただの元人事:よくある新卒紹介の会社って、お金を作ろうと思うと、大手志向の子のマインドを変えてベンチャーに入れようとするんですよ。そうすると彼らにお金が入ってくる仕組みになっている。僕はそういうお金儲けの目的で学生の選択をねじ曲げるのが、すごく嫌いなんです。

 早慶上智以上だと基本的に大手を狙う子が多いと思うんですけど、たまに就活セミナーとかに参加して、異常にベンチャー志向になるようなヤツ、いませんでしたか?「やっぱり自分が成長しないと」とかって言うんですけど、大手にいったから成長できないかというと、まったくそうではないですし。

人事で立ち会った「人の人生が変わる瞬間」

面接

――はじめに就職したメガバンクでは、いきなり人事に配属になったんですか?

ただの元人事:いえ、ずっと営業をしていました。そのメガバンクはリクルーター制のような感じで、営業とかの若手社員が毎年一部呼ばれて採用チームが作られていました。僕はそこに毎年呼ばれていて、面接官もやらせてもらっていました。

 そこで人事に興味を持ったんです。人の人生が変わる瞬間に立ち会えることに魅力を感じました。下手したら営業の仕事で成果を残すよりも、より本質的に人の人生に関われるんじゃないかと。

――銀行の採用チームではどんな動きをしていたんですか?

ただの元人事:各大学ごとに採用チームがあって、学校ごとにだいたい何人とるか決まっていました。僕が担当したMARCHの大学だと、当時エントリー数が1000人くらい。全員に電話して会いに行き、30人まで絞って順位をつけ、1位からどんどん面接をしていって、内定枠を埋めていく作業でした。

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