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社員9人で上場した社長が語る「寝たきり状態だった2年間」

ビジネス

寝たきりの2年はブランクではない

池田洋人

株式会社ALiNKインターネットの池田洋人社長

――寝たきりとリハビリの2年間はどのように過ごしましたか?

池田:最初の1年間は、ベッドから動けなかったので本を読んだり、パソコンを開くくらいしかできませんでした。そのときに出会ったのが、誰もがウェブサイトを通じて自由に情報を受発信できる「Web2.0」という概念です。

「気象予報と掛け合わせたら、なにができるだろうか」とごく自然に考え、気がついたらウェブサイトの作り方を勉強して、実際にサイトを作っていました。

 サイト名はキャロット・クラウドという雲の名前に由来した「お天気キャロット」。今は閉じてしまいましたが、気象予報士向けに情報発信や交流していて、当時は局所的に流行ったと思います(笑)。

――その経験が今も生きていると。

池田:そうですね。気象予報メディアに本格的に触れたのは、当時が初めてでしたので。それに、どんなものでも自分で学んで、作って、運営すると見えてくるものがたくさんあります。それは自分に対しても、他者に対しても同じ。

 インターネット事業に興味を持ちはじめたのもこの頃。当時からトップクラスの気象予報メディア「Yahoo!天気」のサイト構成やコンテンツなどの改善企画書を作って、面接を受けに行きました。

 それがきっかけで、「Yahoo!天気」のプロデューサーとしてアサインすることができ、気象予報メディアの改修経験から、組織づくり、今も一緒に働く仲間、さらに日本気象協会とのつながりも生まれました。どのような状況でも、できることをすることで、チャンスは広がるのだと思います。

達成感で業界から離れようとしたことも

天気 傘

※イメージ

――「Yahoo!天気」のプロジェクト後、独立されたとか。

池田:Web集客などのコンサルタントとして独立しました。意識してはいませんが気象予報の業界とは、一時的に距離がありましたね。

――その理由は?

池田:「Yahoo!天気」のプロジェクトが一段落して、達成感というか、やりきった思いになっていました。そこでウェブサイト全般という広い視点で、ビジネスを展開しようと考えていました。

 ただ、その後、しばらくして日本気象協会からインターネット関連の営業支援のお話をいただいてお手伝いさせていただくことになりました。その際に個人事業だと信頼性などが心許ないので、埼玉県で父親が経営している印刷会社「株式会社ありんく」を通して事業を行うことになったのです。

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