慰謝料の金額はどう決まる?20代も他人事でない「離婚のマネー事情」
慰謝料の請求は客観的な証拠が必要
――浮気、DV、モラハラなどで離婚する場合、相手に対して慰謝料を請求できますよね? その際、どのような証拠を用意すればいいでしょうか?
後藤:慰謝料を請求する場合は、そのような行為があったことを立証できる「客観的な」証拠を用意する必要があります。
例えば浮気なら、夫(妻)が浮気相手とラブホテルに出入りするときの写真は強力な証拠になります。興信所などに調査を依頼し、証拠写真を撮ってもらいましょう。また、夫(妻)が「この間のホテル、よかったね!」のようなLINEでのやり取りや、性行為があったことがわかるようなやりとりも強い証拠になるので、撮影しておくべきです。
DVは、実際に暴力を受けているところを隠し撮りした映像や録音した音声、ケガをして病院に通った場合は診断書が証拠になります。
モラハラは、同じく録音した音声や、モラハラが原因でうつ病にかかり、治療のために通院した際の診断書が立証できる証拠になります。
不倫で離婚する場合の慰謝料の相場
――不倫が原因で離婚する場合、慰謝料の相場はどれくらいでしょうか。
後藤:法律上、「不倫」は「不貞行為」と言い、夫婦のどちらか一方に不貞行為があった場合は、浮気された側は浮気相手に対して慰謝料を請求できます。
相場は一般的に100万~300万円と言われていますが、婚姻期間、不貞の状況など、個別の事情によって金額は変動します。
裁判で離婚する場合、裁判所が慰謝料の金額を決定するにあたって、さまざまな事情を考慮しますが、重要なものとして次の4つの事情を考慮します。
① 子どもの有無:子どもに対する影響を考慮して慰謝料が変動します。
② 不貞時の夫婦の関係性:結婚期間が長いほど不貞の責任は重いと考えられ、慰謝料が増額します。不貞行為が始まる前から夫婦関係が破綻していた場合などは、慰謝料が減額するか、場合によってはゼロになることもあります。
③ 不貞の回数:不貞の期間が長いほど慰謝料は多くなります。
④ 不貞行為が離婚の原因になったか:不貞行為がきっかけで夫婦仲が悪化し、直接的な離婚原因になった場合、慰謝料が増額します。
他にも慰謝料を算定する際に考慮される要素は多数あり、裁判になった場合は、個別の事情ごとに慰謝料の金額を認定します。