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バス通勤で「エチケット袋が手放せない…」若手教員の異動で起きた悲劇

学び

 教職のブラック化が叫ばれる昨今。残業代が出ないシステムや、中高の教員だと土日の部活動時間の給与の低さなどがよく論点になります。

教師

※画像はイメージです(以下同じ)

 さらに、スポットは当たらないものの、公立学校の教員たちの中で地味に苦痛となるのが数年おきに起きる異動です。公立学校の教員は県ごとで雇われる地方公務員にあたるため、県内であればどこに異動となってもおかしくはないのです。

 多くの場合は近隣市町村への異動が多い教職ですが、人事の都合でグッと離れた場所に異動させられることも。小畑文雄さん(仮名・26歳)も、そんな教職の人事異動にいま頭を悩まされている一人です。

30キロ離れた山間の高校に異動

「大学4年生のときに受けた教員採用試験に合格し、大卒後すぐに中高の社会科教師になることになりました。自分の県の教職の先輩の話によると、“最初は自分の住所から通いやすい範囲に赴任することが多い”とは聞いていたものの、新卒で母校に赴任したときは嬉しかったですね。

 実家住まいのため、母校へは自転車での通勤圏内。昔から通い慣れた道で、辛かった新任時代もその距離の近さのおかげでなんとか乗り切れたように感じています」

 しかし、新卒から3年働いた昨年、小畑さんにも人事異動の通告が。「3年以上同じ学校に勤務すると、いつ異動になるかわからなくなる」と小畑さんは言います。

「教員の人事異動が末端の僕らに伝わるのは2月下旬頃。命じられたのは、今住んでいる場所から30キロ以上離れた山間の高校への異動でした」

バスと電車を乗り継いで通勤

バス通勤

「職場まで自転車通いだった僕ですが、次の学校は山間にあるため、引っ越しをしても車がないと通勤はできそうにない場所にありました。そのため、最初は実家から電車とバスでの通勤を選択することにしたんです」

 3月は卒業式などもあり、生徒が春休みに入るまでは忙しい時期です。2月に異動が決まっても、3月の引っ越しラッシュの時期は業者の予約なども取りづらく、せっかくの春休みのうちでも予定が合わず引っ越しが済ませられない、という教員も多いと言われています。

 引っ越しも車を持つことも、そうすぐに手配できるものではありません。小畑さんは次の年度の4月から、バスと電車を乗り継いで1時間半かかる高校まで通うことにしたそうです。

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