新型肺炎の症状、単なる風邪とどこが違う? いま知っておくべきこと
感染を防ぐには? 疑いがある人はどうしたら?
では、具体的にどのような感染対策が可能でしょうか? 主な感染経路は飛沫感染(せきやくしゃみ)と接触感染(手指)と考えられてえいます。有効な対策は、手洗いと「咳エチケット」です。
1:咳・鼻汁・咽頭痛などの気道症状のある人は咳エチケットを徹底しましょう。
2:マスク利用時は、鼻と口を覆いましょう。
3:気道分泌物を触ったら、手を洗いましょう(アルコール消毒、石鹸、流水手洗いなど)。
もしも感染の自覚がある人は、すぐにマスクをして医療機関を受診しましょう。新型コロナウイルスの検査を行うか否かは、医師の判断になります。
本稿執筆の1月28日時点では、曝露(ばくろ)歴があり肺炎を起こしている人のみ、保健所を通じて国立感染症研究所などの専門施設で検査をします。結果はすぐには出ません。
また、心配だから念のため、軽症、無症状の人の検査はできません。医療機関の混乱をきたすので、「新型ウイルスではないこと」の診断書を求めることや、主治医に検査を直訴することはやめましょう。
中国滞在の有無は関係あるか? 風邪との違いは?
武漢市に滞在しているかどうかではなく、過去の中国滞在歴、中国滞在歴者との濃厚接触が曝露リスクを判断する上で大切です。しかし、日本国内での感染例が複数出ると、中国滞在の有無は無意味になるでしょう。
風邪の人全てに新型コロナウイルス感染症の検査を行うのは現実的ではありません。特異的抗ウイルスもないため、早期発見も意義が薄れます。軽症例は咳エチケット、自宅安静などで経過観察(診察は受けても入院はしない)、肺炎を併発するような重症例は入院しての治療となるでしょう。
普通の風邪の場合、発症から3日過ぎれば症状のピークを過ぎることが多いです。発症から3日を過ぎても症状が増悪する場合は、肺炎の合併を考慮し、再度受診をしましょう。
新型コロナウイルス感染症の場合、発症から1週間前後で悪化することが多いようですので、発症から3~5日経過しても良くならない、悪化する場合は、やはり、再受診をしましょう。