東京メトロ銀座線の“新”渋谷駅、開業。総工費290億円で変わる渋谷の景観
0.1キロ短縮しても所要時間、運賃は変わらず
銀座線渋谷駅の移転により、渋谷―表参道間の距離は1.3キロから1.2キロに、銀座線全線に関しては14.3キロから14.2キロにそれぞれ短縮されたが、所要時間は従来通り。また、運賃値下げ区間もない。新しい渋谷駅見たさに遠回りする方も多いのではないだろうか。
その一方で、旧乗車ホーム側の改札付近では、神戸屋キッチン(営業時間は9時から20時まで)が営業を続けている。建物が解体される前に、ここで食事をとり、往時をしのんでみるのも一興であろう。
なお、銀座線渋谷駅の改良工事がすべて完成するのは、2022年3月末の予定だという。
変わりゆく渋谷
渋谷ヒカリエのオープン以降、渋谷の街が徐々に変わりつつある。その中から3つピックアップしよう。
■ WANDER COMPASS SHIBUYA
東急電鉄渋谷駅、地下1階コンコースに外国人観光客向けの案内所として、2018年10月19日(金)にオープン。
特徴は出入口がSHIBUYA109および、ハチ公前広場側と渋谷ヒカリエ側の2か所あり、“気軽に入れる”態勢を整えていること、言語対応のスタッフが常駐していること、手荷物の預かり(有料、日本人の利用も可)、Wi-Fiルーターレンタルサービス、外貨両替、渋谷のおみやげ販売、各種イベントの実施など、多様なニーズに応えている。
なお、WANDER COMPASSは2019年4月5日(金)に別府店がオープンした。
■ 渋谷スクランブルスクエア
2019年11月1日(金)に第Ⅰ期(東棟)がオープン。地上47階建て、地下7階建ての超高層ビルで、地上の高さは渋谷エリアでもっとも高い約230メートルを誇る。
地下3階以下は駐車場、地下2階から地上14階までは商業施設、15階は産業交流施設「SHIBUYA QWS」、17~45階はオフィス、14・45階から屋上までは展望施設「SHIBUYA SKY」で構成する。
注目は地下2階から地上3階までのアーバン・コア。地下2階は東急電鉄東横線と東京メトロ副都心線、1・3階はJR東日本、3階は銀座線、京王電鉄井の頭線、東急電鉄田園都市線の“実質乗り換え口”である。
第Ⅱ期の中央棟(地上10階、地下2階)および、西棟(地上13階、地下5階)は2027年度に開業の予定である。
■ JR東日本渋谷駅3・4番線の移転工事
JR東日本渋谷駅は、1・2番線の山手線、3・4番線の埼京線と湘南新宿ラインのホームが大きく離れており、利便性に難がある。
東横線地上ホーム解体後、3・4番線を1・2番線とほぼ同じ位置に移転するための工事が開始された。首都高速3号渋谷線の下に建設されること、渋谷スクランブルスクエアの工事と並行しており、難工事であることがうかがえる。完成は2020年春の予定。
【取材協力:東京地下鉄、東急】
<取材・文・撮影/岸田法眼>