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東京メトロ銀座線の“新”渋谷駅、開業。総工費290億円で変わる渋谷の景観

暮らし

定刻通り5時01分に発車

山村明義

山村明義社長と1000系特別仕様車

「渋谷スクランブル側の改札口は、通称、『アーバン・コア』という各鉄道路線との結節点となりまして、そこと直結し、アーバン・コアから各路線の渋谷駅に御案内する動線設計になっております。

 各路線のすべての工事が完成しますと、“タテにヨコに延び、わかりにくい”とされる渋谷の駅全体のわかりにくさ、移動のしにくさの改善につながるものと考えております」

 山村明義社長があいさつで、新しい渋谷駅、渋谷の新しい街に対する期待を述べたあと、テープカットへ。無事に切られると盛大な拍手が沸き起こった。

テープカット

式典でおなじみのテープカット

テープカット

その時、新しい歴史が動いた

「出発進行」

 渋谷駅長が高らかに力強く言葉を発すると、1000系特別仕様車は“雄たけび”をあげ、所定の停止位置まで走行後、式典終了。乗降用ドアが開き、1番列車の乗客を乗せてゆく。発車まで約20分あるものの、1000系に半自動ドアや、1か所を除いて乗降用ドアを締め切る機能はない。

 今後は一部の列車を除き、直接折り返すので、乗降用ドアの“開時間”が長くなる。車内の保温環境が気になるところだ。将来はホームに空調を導入する予定で、設備の仕様や諸条件については、現在検討中だという。

 発車メロディーが鳴り、5時01分、1番列車の浅草行きが発車。その後、2番線から続々と列車が入線する。

浅草

浅草からの1番列車が1番線に初入線

 5時34分、浅草からの1番列車が1番線に到着するものの、TASC(Train Automatic Station stop Control:駅定位置停止装置)の誤作動で停止位置より手前に停車してしまい、停止位置を修正するアクシデントが発生した。

 実は先代車両の01系でも同様の事象が溜池山王であった。車掌は業務に支障がないと判断し、乗降用ドアを開けた。

付帯設備は明治通り方面改札側に集約

 改札は明治通り方面改札のほか、渋谷スクランブルスクエア方面改札が設けられた。乗客は後者の利用が多く、前者は閑散としている。

エスカレーター

エスカレーターの後ろ側に階段を設けている

階段

階段の2階に衝突防止用のミラーをさりげなく設置

 前者は1階コンコースから3階ホームへ直結するエスカレーターのほか、1階コンコース内に駅事務室、2階にトイレ、ワークスペース(コンセントつきの作業台)をそれぞれ設けた。また、将来は渋谷ヒカリエ直結の改札も設置される。

東京メトロ

東京メトロは全駅多機能トイレの設置を完了(東京メトロ提供)

ワークスペース

ワークスペースで、約2時間もケータイのフル充電をする人はいるのだろうか?

 トイレについては多機能のみ本設、男女用は仮設されている。男女用については、2020年度中にホーム端部に仮設として移転され、のちに本設される。また、エレベーターは設置工事中で、2020年6月の完了を目指す。

 一方、後者のエスカレーター、エレベーターは渋谷スクランブルスクエアや東急百貨店東横店と共用するカタチをとっている。

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