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青春18きっぷにUターンラッシュはあるのか?東海道本線に乗って検証

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青春18きっぷの旅に定期の夜行列車は必要だ

 青春18きっぷでも帰省やUターンラッシュは「ある」と見てよさそうだ。特に2019年度の場合、仕事納めは2019年12月27日(金曜日)、仕事始めは2020年1月6日(月曜日)の企業が多く、青春18きっぷで帰省、Uターンするスケジュールがとりやすい“ゆとり”があったものと考えられる。

 さらに2019年度冬季の臨時快速〈ムーンライトながら〉は、始発駅2020年1月の運転がなかったことも大きく影響しているのではないだろうか。以前は定期1往復、臨時1往復が設定されていたが、2009年3月14日(土曜日)のダイヤ改正以降は臨時1往復のみ。

 また、運転日数の減少、旅行代理店に当該列車指定席の発売日前に発券を依頼する「前受け」を打ち切るサービス低下もあり、買いやすい環境が失われたことも大きい(JR東日本のえきネットはできる模様)。

 仮に臨時快速〈ムーンライトながら〉の車両をJR東日本185系からE257系に変えるのであれば、最高速度130km/hを活かし、運転区間を東京―大阪間に延長することを望みたい。

 JR各社は新幹線、特急など優等列車の利用状況を重視し、年3回“かき入れ時の利用状況”をプレス発表している。それならば、「青春18きっぷによる帰省、Uターン」もリサーチし、乗車率いかんによっては臨時列車の設定、増結を検討すべきであろう。特に夜行列車は効率的な移動ができるのだから、“夜行バスやチェーンホテルに勝てる特急形車両の夜行快速”も必要だ。インバウンドの増加などによる宿不足解消のためにも。

<取材・文・撮影/岸田法眼>

レイルウェイ・ライター。「Yahoo! セカンドライフ」の選抜サポーターに抜擢され、2007年にライターデビュー。以降、ムック『鉄道のテクノロジー』(三栄書房)『鉄道ファン』(交友社)や、ウェブサイト「WEBRONZA」(朝日新聞社)などに執筆。また、好角家の側面を持つ。著書に『波瀾万丈の車両』『東武鉄道大追跡』(アルファベータブックス刊)がある

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