「俺のイタリアン」その型破りな経営スタイルとは?
原価率60%超えでも、純利益が2.6倍
今回の決算を見ると、純利益が1億7000万円と前回の6500万円に比べて、約2.6倍と大きく伸びている俺の株式会社。
そんな“俺の”シリーズといえば、一流店で経験を積んだ料理人がオープンキッチンで、高級食材を使って腕を振るった料理を高級店の1/3程度の価格で提供しているのが人気の大きな理由ですが、同時に原価率が60%を超えるという点もよく話題に上がります。
そこの利益率の低さを、「味」と「立ち飲み」形式による客の高速回転でカバーするというのが、同社のビジネスモデルのミソでもあるわけです。
ただ、そうは言ってもネットビジネスほど、計算が立ちづらい飲食ビジネスにおいて、それを達成し、IPOできそうなレベルの利益にまで伸ばしてきたのは、かなり驚異的だと思います。
また、“俺の”シリーズといえば、銀座周辺に15店舗と手厚いのも特徴ですが、2018年中にはさらに4店舗増やす方針です。
合計で19店舗ともなると、同地域のセブンイレブンやローソンを合計したくらいの店舗数となり、土地単価が日本有数の銀座でコンビニ並みの「ドミナント戦略」を取っているうえ、利益が残せているという点も何気に常識破りと言えそうです
異色のシリアルアントレプレナーの挑戦は続く
ちなみに、坂本氏が”文春砲”を受けて、俺の株式会社を設立したのは72歳のとき。
最近は「俺のBakery & Cafe」(恵比寿)で、パンにも注力しており、すでに卵サンドだけで1か月で4000個を売り上げる勢いで、ニューヨーク進出も打ち出しています。
いろいろと常識破りな“俺の”冒険が、今後どのように展開してくのか、グルメ的にもビジネス的にも目が離せなそうです。
※俺の株式会社の過去の業績や企業情報は「NOKIZAL」で確認できます。
<TEXT/平野健児>
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