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新人の仕事を倍速にするコツは「分けて教えること」

学び

ロールプレイで部下の理解度を確認

ビジネス 握手

 例えば、携帯電話ショップでの接客では、多くの細かい記載内容が書かれた書類をお客様に説明するシーンがあります。初めてその接客シーンを見せる際は、育成担当者は次のように伝えます。

「いまから実際の接客を見てもらうけど、お客様に申込内容をご記入いただく際は、次のポイントに注意して見てください。1つ目はサービスの適用タイミング。2つ目は解約に伴う違約金について。3つ目は支払い条件。まずは、この3つの説明のセリフを中心にメモをお願いします」

 このように指示して手本を示したら、別途時間を作って「私をお客様と見立てて、先ほどの3つを意識して説明してください」といってロールプレイングを通じて3つのポイントの理解度を確認していきます。

 OJTにおいて手本を示すときは、見どころを先に教えてから実践させたほうが効率よくスキルが身につきます。「とりあえず見てね」だけでは手本を示したことにならないのです。

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■ 匠の時短質問

新人に手本を示すとき
「~さんが具体的に見たいポイントってどんな点かな?」
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 以上、OJTにおいて新人を効率的、効果的に育成する方法を下記2つの視点からお伝えしてきました。

1)業務を教えるときは、「分けて教える」
2)手本を示すときは、「見どころを教える」

 ぜひ、忙しい中でも試していただくことで、短時間でもOJTの効果が上がり、新人が今まで以上に成長し、あなたの仕事により貢献してくれるようになるでしょう。

<TEXT/島村公俊>

講師ビジョン株式会社代表取締役。人事系コンサルティング会社を経験後、2006年ソフトバンク(旧ボーダフォン)入社。ソフトバンクユニバーシティの立ち上げ参画し、研修の内製化をリードする。独立後は1000人規模の新人研修やエルダー(OJT、メンター)教育にも携わり、新人、若手の早期育成にも貢献する。社内講師の育成トレーニング、OJTトレーナー研修、新人研修などを提供する。近著に『10秒で新人を伸ばす質問術』(東洋経済新報社)

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