ZOZO買収とPayPayでEC市場に挑む、ヤフーの勝算
本命は二次流通市場にあり?
ZOZOTOWNのサイトまたはアプリを使っているユーザーの利用が特徴的に多いアプリは、SNS、フリマ、ECやファッションが並び、若い女性らしいラインナップ。1位Instagramや3位TwitterのSNS、14位WEAR(ZOZOTOWNのファッションメディア)で情報収集してZOZOTOWNや4位楽天市場、5位Amazon、7位UNIQLOのECあるいは2位メルカリや11位ラクマでお買いもの。気に入ればSNSで自慢し、飽きたらまたまたフリマへ出品して次のお買いものへ……といったサイクルでしょうか。
現時点では上位にランクインしていないYahoo!ショッピングやヤフオク、PayPay、一休.comなどのZHDグループサービスは、どこまでZOZOTOWNユーザーの生活に入り込み定着できるのでしょうか。
本質的に狙うべきはむしろ、ここ数年で急拡大する二次流通市場=フリマかと考えると、PayPayフリマ投入が腹落ちします。メルカリに流れるYahoo!ショッピングユーザー43%、やZOZOTOWNユーザー59%の中古品売買ユーザーを取り込めれば、広義ECにおけるPayPay経済圏の「ナンバーワン」が夢ではないかもしれません。
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ZOZOの物流網を活用できれば、Amazonより割高なYahoo!ショッピングの送料が減ったり、当面続きそうなPayPayやYahoo!会員、またソフトバンクとの連携キャンペーンで、ZOZOTOWNユーザーもポイントをゲットできたりしそう。もちろんAmazonはAWSという稼ぎ頭を原資として、音楽・動画コンテンツそしてエコーやダッシュといったD2Cチャネルを武器に、楽天はZHD同様の金融や旅行、(出遅れているものの)通信事業など総合的な決済とポイントシステム、そして手厚い出店者サービスを武器に、Yahoo!+ZOZO連合を突き放そうとするでしょう。
他方、総合ECと一線を画しD2Cチャネル強化を図るブランドの動きも活発で、例えばユニクロは現在11.6%のEC率を30%まで上げ「ECを本業に」する計画。自社製造販売なので、そもそも送料も手数料も0円という強みがあります。
様々なレイヤーで繰り広げられるECバトルに決済や通信が統合され、市場はどこへ向かうでしょうのか。いずれにせよ、消費者にとって、ありがたい競争時代であることは間違いありません。
<TEXT/清水響子>