あいた時間にできる介護の仕事。資格不要の「介護スキルシェア」体験で少し泣いた
登録者の8割が異業種
2019年2月にリリースして半年。スケッターを運営する株式会社プラスロボの鈴木亮平さんにその感触を聞きました。
「これまで介護に関わったことのない人が、介護以外の仕事であれば働きたいというのがわかってきました。というのも、スケッターの登録者の8割が介護以外の異業種。介護業界に就職するのはハードルが高くても、自分のできる範囲であれば関わりたいという人がいて、月100人ペースで登録者が増えています」
まさに、介護業界の人手不足に一石を投じるサービス。しかし、人数が増えてくると登録者の質も気になるところです。
「スケッターは、規約を設けるほかに、シェアリングエコノミーに倣って相互評価システムを採用しています。登録者、施設側ともに評価が公開されていて、秩序をつくることでトラブルを防止しています。登録者の星評価が3つ以上なければ参加できない施設もあります」
スケッターは施設側のメリットに偏ることなく、登録者側にも社会経験や副業になる点が、良循環を生み出せている所以でしょう。個人的には、介護施設の現場を自分の目で見れたことが一番の収穫でした。1つの施設しか見ていないのであくまでも一例に過ぎないかもしれませんが、この経験をきっかけに、派生していく関心や行動は大いにあると感じます。
厚生労働省は、このままだと介護人材が2025年度までに55万人不足すると発表し、対策として就学資金の援助や処遇の改善に取り組んでいます。介護人材を増やすことも重要ですが、スケッターは、それ以上に社会全体で高齢者を支えるという理想形に近いのではないでしょうか。
<取材・文・撮影/ツマミ具依>