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ピン芸人「もう中学生」、ブレイク前に憧れていた意外な芸人像

暮らし

紙芝居調のスタイルが生まれるまで

もう中学生

実家付近の風景を写真に撮って描いたりしている

――ネタの構成が紙芝居調なのも特徴的ですが、最初からこのスタイルだった?

もう中学生:いや、最初は大きな小道具だけをつくっていたんです。「でっかいお醤油」「でっかいイカ」「でっかいのり弁」とかを使った、コントっぽいネタを披露していました。ただ、それだけだと限界が来てしまって。「これは、景色をつくってネタを広げるしかない」と感じはじめてから、徐々に変わっていきましたね。

――パラパラ漫画でブレイクした芸人・鉄拳さんは、背景を描くにあたって故郷の風景を参考にされているそうです。もう中学生さんも鉄拳さんと同じ長野県出身ですが、似たようなところはありますか?

もう中学生:めちゃめちゃあります。僕はしょっちゅう長野に帰るんですけど、ネタとか背景を考えるのは実家とか近くの喫茶店とかが多くて。秋にやろうと考えてる稲刈りのネタも、実家付近の風景を写真に撮って描いたりしてますし。

 ただ、鉄拳さんの作品って本当にすごいじゃないですか。僕の場合はでっかい絵を描いて、その前でしゃべってるほうが好きかもしれないです。

テレビの収録終わりは、世界が変わって見える

もう中学生

「笑いの絶えない会社だって感じてもらえるよう頑張りたい」

――現在、地方局での露出が増えています。今のもう中学生さんにとって、テレビはどんな存在ですか?

もう中学生:いまだにテレビは大好きですし、あこがれです。自分の番組をやるというのは恐れ多い話ですけど、呼ばれたらどんな番組にも出たいし貢献したい。8月に放送された『水曜日のダウンタウン』に少しだけ出させていただいたときも、帰り道に夜空を見上げながら「あー、幸せだな」って思いました。

 昨日も地元・長野の番組でロケだったんですけど、「水曜日のダウンタウン見たよー!」って声をかけてくれる人がいて。テレビの収録があったときは、世界の景色が変わって見えるくらい嬉しいです。

――テレビや舞台を含めて、今後の活動のヴィジョンがあれば聞かせてください。

もう中学生:お笑いでいろんな方に勇気とか元気を与えられるような存在になりたい。出る場所にかかわらず、尊敬する芸人さんたちと一緒に、今後もたくさんお笑いをつくっていけたらと思ってます。

 それから、いろいろとお騒がせしましたが、僕は人生を学ばせてもらった吉本興業が本当に好きで。素敵な芸人さんも多いですし、また「あははっ、おほほっ!」と、笑いの絶えない会社だって感じてもらえるように僕も頑張りたいと思います!

<取材・文/鈴木旭 撮影/スギゾー。>

【もう中学生】
1983年生まれ、長野県出身。イラストを描いた段ボールなど自作の大道具・小道具を使用した一人コントでネタ番組に多数出演。2018年ミュージカル『メリー・ポピンズ』のキャストを務めるなど現在は俳優としても活躍

フリーランスの編集/ライター。元バンドマン、放送作家くずれ。エンタメ全般が好き。特にお笑い芸人をリスペクトしている。個人サイト「不滅のライティング・ブルース」更新中

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