「パワハラです」を連発するインターン学生に、若手社員の言い分
エモハラ・エアハラ…あらゆる行為を指摘
その後も上司が言い方に悩み、悲しそうに口をつぐむようにうつむいたりすると、「それはエモハラだ」とか言ったり、話をそらそうとすると、「エアハラだ」と、ハラスメントの名前を連ねてくるそうです。
「……逆に、よくそんなに知ってるなってくらいですよ(笑)。エモハラは、ロジハラの逆で、感情的な側面を強く出して相手を丸め込もうとすること。エアハラは空気を読まない発言で、相手の気分を害するというハラスメントです。
ここまで何でもハラスメントとして成立してしまうと、話の正誤に関わらず、不快に思ったらハラスメントとして糾弾できてしまいますよ」
そして佐藤さんはこのインターン生の話しぶりこそ、「逆ハラスメントではないか」と主張します。
もっとも、学生に言われっぱなしの上司も情けない感じがしますが…。
「ハラスメント増え過ぎ?」の風潮も
最近はコミュニケーションを強要することを「コミュハラ」と呼んだり、カラオケで歌いたくない人に歌うことを強要すると「カラハラ」になったりと、とにかくなんでもかんでも、相手を不快にさせる行為はハラスメントと呼ばれてしまいます。強要はよろしくないですが、それも程度問題ではあります。
「ハラスメント対策をすることは大事です。でも、みんなハラスメントに過敏になりすぎではないかと最近思うんです。相手が不快に感じないように気を使ってコミュニケーションするのは当たり前ですが、なんでもハラスメントを盾にされてしまうと、何もできないですよ」
お互いが気持ちよくコミュニケーションできることは大事ですが、嫌なことを率直に言い合える関係も、一方で必要でしょう。何がハラスメントで、何がまっとうな指揮命令なのか、社会人ならちゃんと整理しておきたいものです。
― 特集・職場のモンスター大学生 ―
<取材・文/ミクニシオリ イラスト/パウロタスク(@paultaskart)>