マンション購入時の注意点5つ。特に結婚を考えている人は要チェック
その⑤「新築にこだわるべからず」
マンションは将来にわたって自分たちの資産になる。購入するなら、新築・中古にこだわらず、人に貸した時にどれくらい稼げるかという、利回りを重視してほしい。今の市況であれば、例えば東京都心部(千代田区・中央区・港区)の新築の場合で、だいたい表面利回り4%(5000万円で購入して1年で200万円の家賃を回収できるなら、利回り4% )、中古なら5%をひとまずの目安としたい。
「健美家」など収益物件の情報サイトを見れば、東京都心以外や地方都市でも中古物件の利回り目安がわかる。数字をより具体的にするため狭域エリア、近い築年数の物件を調べてほしい。
もちろんもっと利回りの出る物件を探したいし探すこともできるが、利回りと住まいの快適性は反比例の関係になる(安くなるほど快適でなくなる)ため、自己居住を目的にするマンションであれば、上記の利回りを見込めるなら合格点だ。
近年、中古物件が注目を集めているが、理由は単純で、同じ仕様なら、新築のほうがプレミアムがついている分、1~2割、割高になってしまうのだ。一般の人は、「このマンションは○○○○万円です」と言われても、それが割高なのか、割安なのかを判断しづらい。そんな時は、この利回りを参考にして欲しい。
購入予定マンションの周辺で、類似の物件が賃貸で出ていれば、その資料を調べればいい。地域の同規模、同仕様のマンションの賃料はネットで簡単に知ることができる。「中古の場合、築年数何年くらいまで大丈夫か」という質問を受けることがあるが、おおむね1995年以降に建設されたものなら、選択肢として悪くないだろう。
1995年頃から新築マンションの大供給時代が始まり、2000年頃までには、モニター付きインターフォン、床暖房、24時間換気、浴室乾燥機、システムキッチン、ウォークイン・クローゼットなど、今では当然といえる設備仕様を標準となった物件が多く出回り始めた。
中古物件を購入するときの注意点をひとつだけ挙げると、管理組合が機能不全を起こしていると疑われるところは避けるようにしよう。具体的には、仲介会社に「重要事項に係わる調査報告書」を出してもらうことをおすすめする。
そこには、マンションの組合運営に係る情報が記載されていて、管理維持費の滞納状況や改定予定、修繕積立金の残高、借入の有無、大規模修繕の履歴が記載されているので、チェックして問題がないことを確認したい。
新婚カップルに向けてアドバイスするなら、「イメージに流されず、夫婦のどちらかが、個人で頑張り過ぎて潰れてしまわない、そんな仕組みを作ることが大切」だ。マンション購入を検討する際には、この5つのポイントを参考にしてほしい。
<取材・文/櫻田進ノ介(@kojiro_1975)>
【スムログやまちゃん】
マンション専門ブログ「スムログ」の「質問やお便りコーナー」で読者への相談に無料でのっている。某マンションディベロッパー新築営業を経た後、Web業界に転身。現在は国内最大のマンション購入者向け口コミサイト「マンションコミュニティ」を運営する ミクル株式会社に所属