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「キレイな資料」を作る前に、あなたがすべきこと

学び

「自分にとっての資料の意味」を書き連ねる

タイピング

 資料の外見を磨く本やWebの記事はたくさんあるので、外見のハウツーはそちらを参照すればいいと思います。

 今回お伝えしたいのは「どうすれば資料の内容を改善できるか」という問いに対する自分なりのアンサーです。

 資料を作るときに求められることはケースバイケースであることはもちろんですが、どのようなときにも通じるコツをひとつお伝えします。それは「自分にとって、その資料はどんな意味を持つだろうか?」と考え、文字に落とし込むことです。

 面白い文章を書くライターや、評判の良い資料をがんがん作り上げるコンサルタントは、最初に「自分にとっての資料の意味」を突き詰めています。

・これを作ることで、自分にはどんなよいことがあるだろうか?
・この作業を最大限楽しむためにはどんな工夫が必要だろうか?
・この作業から得られる学びはどのようなものだろうか?

 これらのことを自問自答し、「自分にとっての資料を作る意味」を明確化しているのです。

 極論、人は自分のためにしか動けません。

これをやることで、自分にとってもすごいトクがある!」と思えないと、魂のこもったコンテンツは作れないのです。それは、普段の仕事でも同様です。

 いくら見栄えにこだわっていても、「自分なりのこだわり」が感じられる内容がないコンテンツは、ほとんど価値がありません。一般的な情報をGoogle経由で集め、なんとなくいい感じに切り張りしただけでは、他の人を動かせるコンテンツにはならないのです。

 まずは自分にとってその資料がどういう意味があるか、一生懸命考えてみましょう。

リサーチ後、自分の意見をワード形式で書きまくる

自分にとっての資料の意味」を明確化したら、本やWeb、他の人へのインタビューなどを通じて情報を収集してみましょう。

「最初に資料構成を考えるべきではないか」という意見もわかりますが、まずは時間を区切って関係がありそうなことを一気に調べることが大事です。情報が少ない中でストーリーや章立てを考えても、あとでひっくり返すことになってしまいます。

 そのような初期リサーチをしたあとにすぐパワーポイント作成に移ってしまう人もいますが、これはNGです。パワーポイントを使って資料を作ろうとすると、どうしても見栄えに気が取られてしまい、内容がおろそかになるのです。

 では、内容を充実化させるためにはどうすればいいか。ぼくがオススメしたいのは、論理構成や章立てに気を取られることなく、とにかく自分の今までの調査結果やそれに対する洞察をワード形式で書きなぐることです

 ワード形式でどんどん書いていくことによって、自分の頭にあるふんわりしたイメージがどんどん言語化されていきます。

 自分がわかっていないことも明確になり、その後のリサーチにも役立つでしょう。また、ワードならすぐに内容の変更や修正ができるので、上司からのレビューをもらいやすいというメリットもあります。

 これをやることで、どんどん資料の内容が濃く充実したものになっていきますよ。

 資料の見栄えを考える前に「自分にとっての資料の意味づけを突き詰める」「初期リサーチをし、そこで得た情報や洞察をワードファイルで書きなぐる」この2点をぜひやってみてください。キレイな資料を作るのはそのあとでも十分間に合います。

 みなさんが、「おお、これはすごい。君にしか作れない資料だね」という言葉を上司からもらえるようになることを祈っています。

<TEXT/Shin>

某外資系コンサルティングファームで戦略コンサルタントとして勤務したのち、現在は某外資系企業で業務改善や戦略策定等の業務に従事。ビジネス書作家。ブログ「Outward Matrix」、オンラインコミュニティ「Players」を運営。無料メールマガジンも好評配信中

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