「キレイな資料」を作る前に、あなたがすべきこと
こんにちは。Shinです。
これを読んでくださっているみなさまの大部分は「資料を作って欲しい」と上司の方から依頼されたことがあると思います。
そして、「こんなの全然ダメだ」とつき返された経験がある人も多いのではないでしょうか。
ぼくは戦略コンサルタントとして働きはじめた当初、資料の質が大変低く、ほとんどOKをもらえることがありませんでした。
なぜ資料にダメ出しを食らってしまうのか?
時間があるときは上司に何度もレビューをしてもらってなんとかなるか、時間がないときは途中から上司に仕事を巻き取られてしまっていました。コンサルタントとしてはなかなかの屈辱です。
そのときのぼくは、「どうすればキレイでわかりやすい資料を作れるようになるんだろう?」と一生懸命考えたり、パワーポイントをキレイに作るためのハウツー本を読んだりしていましたが、なかなか効果が見られませんでした。
かつてのぼくと同じように、「キレイな資料作成をするにはどうすればいいのだろう」と悩んでいる人もいるかもしれません。しかし、実はその問いはあまりセンスがいいものではないのです。
「キレイな資料」を作る前に、もっと大事なことがあるのです。
資料の見栄え vs 資料の内容
まずひとつ考えてみていただきたいのは、「資料の見栄えと資料の内容、どちらのほうが大事だろうか?」ということです。
とてもキレイで目を引く装丁がされているが、中身がスカスカでほとんど内容がない本と、外見はそっけないが深遠で面白い内容がぎゅっと詰まっている本、どちらに魅力を感じるか、という問いに置き換えてみてもいいかもしれません。
ほとんどの人が、後者を選ぶはずです。
いくら外見に優れていたとしても、内面が伴っていなければ意味がありません。逆に、外見に少々難があったとしても、独自の視点や深い洞察、筋道だった論理や魅力的なストーリーがある資料には魅力を感じるはずです。
冷静に「見栄え」と「内容」を比較すると、後者のほうが重要なのです。だとすると、「見栄え」にこだわって四苦八苦するよりも、「内容」をどうやっていいものにするか考えたほうが生産的ですよね。
この結論に達するのはそんなに難しいことではないはずなのですが、なぜみんな「見栄え」にこだわって余計な時間を使ってしまうのでしょうか。それは、「見栄え」に関するハウツー本がたくさんあるし、それを実践すると自分のスキルが上がった気になれるからです。
ただ、そんなことをし続けても本質的な内容を磨くことはできませんし、上司から一発OKをもらえるようにもなりません。
かつてのぼくは、まさしくそういう状況に陥ってしまっていました。本来は「資料の内容」を向上させることに注ぐべき時間を、資料の見栄えにこだわって「キレイだけど中身がない資料」を作ることに使ってしまっていたのです。