東京メトロが進める「バリアフリー化」の現在地。盲学校生徒から提言も
東京メトロでは次世代育成支援の一環として、2019年3月1日に総合研修訓練センターで、「鉄道施設体験学習会」が行なわれた。
都立文京盲学校高等部3年生の生徒8人(男子5人、女子3人)が参加し、鉄道施設に触れ、体験、学習した。
ホームで点字ブロックに触れる
生徒たちは、総合研修訓練センター内に設置された、訓練線センター中央駅の模擬ホームへ。1番線はホームドアあり、2番線はホームドアなしで、講師役の東京メトロ社員は後者に案内し、生徒は点字ブロック(タテ40センチ、ヨコ30センチ)に触れる。
東京メトロなど、多くの駅(おもに1日の利用客が1万人以上の駅)では、移動の方向を示す線状突起の「誘導ブロック(線状ブロック)」、注意喚起及び警告をうながす点状突起の「警告ブロック(点状ブロック)」を組み合わせた「内方線つき点状ブロック」を整備。視覚障害者が誘導ブロックを踏むことで、線路のある方向を認識しやすくする。
しかし、それでも視覚障害者がホームから転落する事故が発生しており、ホームドアの設置が求められている。点字ブロックの先はホームの端。職員によると、このあいだは90センチだという(駅によって80~100センチ)。
今度は生徒にホームの端や車両に触れさせる。これらに触れることで、生徒たちは、点字ブロックからホームの端の距離感をつかんだのではないだろうか。
非常停止ボタン(非常通報装置)を押す
非常停止ボタンは、急病人の発生、ホームから人が転落したなど、列車を止める必要が生じた際に使う。
まず社員が試しにボタンを押すと、大きな音がホームに響き渡る。
「みなさんは、なにかあったときに、大声で『列車を止めてください』というふうに、周りの人に伝えていただければ」
参加した生徒は目が不自由なので、社員はフォローを入れる。このボタンは駅員、乗客など、すべての人が触ってもいい機械なので、遠慮しなくてもいいのだと。
その後、生徒全員が教師の助けを借りながら、非常停止ボタンを押した。