関東鉄道、2年ぶりの新型車両が登場。試乗会で見た“その本気度”
イベント終了後、定期列車として1往復運転
水海道到着後、車内の整備、点検が行なわれたのち、13時22分発の各駅停車取手行きとして、水海道―取手間を1往復する。
発車すると、今度は希望者にキハ5020形のパンフレットを配布するサプライズ。関鉄と新型車両をさらにアピールしていた。関鉄ファンや利用客をひとりでも多く増やすため、営業活動に余念がないことがうかがえる。
今後も単行車の導入が続く?
常総線はかつて、ラッシュ時の西取手―取手間の混雑率が100%を超え、列車も4両編成で運転されていた。しかし、2005年8月24日に、つくばエクスプレス線(首都圏新都市鉄道)が開業すると、混雑率が大きく減少した。
参考までに守谷―北千住間の所要時間は、常総線各駅停車とJR東日本常磐線快速の乗り継ぎ(大人運賃の合計970円)で約50分に対し、つくばエクスプレス線(大人運賃720円)の快速は最速21分。加えて大人運賃(きっぷ、ICとも)は前者970円、後者720円。後者が早くて安いのだ。
この影響により、ラッシュ時は2両編成に減車。現在、4両編成での運転は、夏に取手市で開催される花火大会のみである。
また、車両も2004年12月に登場したキハ2400形以降、単行車(1両の両側に運転台がある車両)の導入が続いている。
運転車両課によると、「単行車のほうが使い勝手がいい」という。定期列車における2両車は、取手―水海道間(複線区間)の限定運用に対し、単行車は常総線全線で運用できる。増解結も容易にできるので、2両運転の列車にも充当できるのだ。
将来については、「運用の効率化はどういうカタチであれ、やろうと思っている」という。今後も単行車の導入が続くのではないだろうか。
一方、竜ヶ崎線もラッシュ時の混雑率が低下。関鉄はフルラッピング車両や「走る美術館」、吊り手にコロッケの模擬を取りつけるなど、話題づくりに努めている。
<取材・文/岸田法眼 取材協力/関東鉄道>