コンサル志望者がエントリーシートを「結論から理由の順」で書く理由
ピラミッド・ストラクチャーとは
ピラミッド・ストラクチャーとは、主張したいメッセージを一番上に置き(結論)、それを支える根拠(理由)を下に書いていくことで情報を整理する技法です。
複雑な課題を取り扱う際はもちろん、普段のコミュニケーションの中でもコンサルタントはこの技法を使っています。
■ピラミッド・ストラクチャーのイメージ
簡単な例で考えてみましょう。(すべて仮定の話です)あなたの所属する製造業の会社の社長、あるいは役員が思いつきで「キャッシュレス事業(楽天ペイ・PayPayなどのQR決済サービスなどのイメージ)に参入しよう」と言いだしたとしましょう。
これまでも思いつきの事業の検討をさせられ苦い経験をしていますが、今回も同じことになりそうです。ピラミッド・ストラクチャーを使って諦めてもらうように説得してみましょう。
ピラミッド・ストラクチャーで上司を説得
ここで、一番主張したいメッセージを「キャッシュレス市場に参入すべきでない」とおきます。そして、根拠として「自社に強みがない」「競合の参入が進んでいる」「期待ほど市場は伸びない」とします。
さらに、「自社に強みがない」を、「金融事業の経験をもつ人材がいない」や「流用できるソフト/ハードウェアもない」などにしていきます。下の図は、ピラミッド・ストラクチャーの考え方を図にしたものです。
■ピラミッド・ストラクチャーの使用例
勘の良い読者はお気づきと思われますが、それぞれの階層(レイヤーと呼ばれる)の理由は何かの軸で整理すると良いとされます。最初の階層は、基本的な視点ですが、自社、競合、市場という要素。次の階層は、「人材/その他の資産」「既存/新規」などで整理しています。
念のため補足すると、このようなありふれた軸を実際の案件で単純に使うことは考えにくいですが、ピラミッド・ストラクチャーのポイントをお伝えするための例として使いました。
このように常に結論と理由の関係性を意識しているコンサルタントの視点に立つと、なかなか結論にたどりつかない文章や、何を言いたいのかわからない文章を書いてしまえば、働く姿が想像できないと思われても仕方がないでしょう。
以上、コンサルティング会社の選考に向けたESを書く上で気をつけるべきポイントを見てきました。次回は、面接のポイントをお伝えしたいと思います。