音楽エリート一家で育った25歳ピン芸人「歌ネタは半信半疑でした」
高校時代にライブを主催。M-1覇者も参戦
――高校時代はお笑いライブも主催されていたとか。
パーマ大佐:そうなんです。大会に出るだけでなく、学生の芸人を集めたお笑いライブを3~4か月に一度、主催していました。大好きなお笑いに、真剣に取り組む仲間がどんどん増えていくことがとてもうれしく、大会の規模も徐々に大きくなっていきました。
――ライブを育てていくために、どんなことをされましたか?
パーマ大佐:お笑いライブのアンケートは「面白かった3組に丸をつけてください」みたいな設問がスタンダード。ですが、それだと一票も入らない下位の芸人に差がつかず、何もフィードバックが残りません。
僕はそれがすごく嫌だったので、出演した全組に点数を付けてもらうようにしました。アンケートを回収し、数式を組んでおいたEXCELに入力して、エンディングで点数を発表するようにしたんです。
――そんなことまで! ビジネスマンのようですね。
パーマ大佐:いえいえ、とんでもないです。でもやるからには楽しんでもらいたいし、芸人さんにとって意味のあるものにしたいと自分なりに工夫はしていました。
学生でも入りやすいように入場料は300円に設定。参加芸人さんにもチケット販売を協力してもらって、武蔵野芸能劇場で行ったライブでは100人以上動員できました。
毎回20~30組の芸人さんが出演してくれていて、2019年のM-1グランプリで優勝した霜降り明星の粗品さんや、にゃんこスターのアンゴラ村長、2018年の「おもしろ荘」で優勝したレインボーの池田さんなども出ていたんです。同世代で同じ時期から頑張っていた芸人の活躍を見れるのは嬉しいですね。
しゃべくり漫才がやりたかった
――以前は今のスタイルではなかったとか。
パーマ大佐:元はコンビを組んでいましたが、相方が活動の場を名古屋にしたため、ピン芸人に。ピンになった当初はフリップネタをやっていて、NHKの『爆笑オンエアバトル』にも出させてもらいました。
その頃、当時の所属事務所のお笑い部門がなくなってしまったのでフリーになったんですが、「オンバト」にだって出れているし、なんとかなるだろうって思っていました。今思うと20歳の甘すぎる考えですよね(笑)。
――意外と楽観的なんですね。でも現実は違ったと。
パーマ大佐:実際には仕事がゼロになり、当然収入もない……。(現事務所の)太田プロにネタ見せに行ったりもしていたんですが、うまくいかず焦っていましたね。
いろいろと見直してみようと思ったのもあり、フリーで単独ライブをやったんです。単独ライブでは、これまでやったことのないジャンルのネタに挑戦していくことにしました。コントとか、リズムネタとか。その中のひとつが今に繋がる「歌ネタ」でした。