25歳のネット世代芸人が考える、売れるお笑い「漫才は伝統芸能になる」
童謡「森のくまさん」の替え歌のプチブレイクで一時は“第二のピコ太郎”と囁かれたパーマ大佐(25歳)。テレビに登場する機会は減りましたが、今では、YouTubeなどネットを巧みに活用し、着実にファンを増やしています。
前回のインタビューではその生い立ちからデビューに至るきっかけを聞きました。今回は25歳にして芸歴7年の芸人が考える、これからのお笑いについてインタビューを行いました。
漫才は伝統芸能化する!?
――パーマ大佐さんが学生時代に見てきたお笑い界と、今のお笑い界の違いは?
パーマ大佐:M-1グランプリで優勝すればガラッと人生が変わって一気にスターになれる。いわゆる“M-1ドリーム”は、これから難しくなっていくのではと感じています。
僕はブラックマヨネーズさんのようなしゃべくり漫才に憧れていたので、悲しくもあるのですが、いずれ漫才は伝統芸能化していくのではと思うんです。
――と言うと?
パーマ大佐:編集で笑うポイントを補足してくれる「YouTube」や、何も考えずにリズムや動きだけを見て楽しむ「TikTok」に慣れた若者が増えています。
だから、いずれ漫才の見方がわからない人が増えてくるんじゃないかと。漫才はセンターマイク一本でネタを展開していくので、そもそも画的に地味。しゃべりだけで場面を想像させたり、序盤のフリをオチで回収したりとネタの構成も複雑で、受け手の想像力が問われます。
――たしかにYouTubeやTikTokに比べて地味かもしれません。
パーマ大佐:頭をつかうコンテンツなので、いずれは落語のように、見る側の素養が必要な古典のエンタメになってしまうかも知れません。
僕がお笑いにハマったキッカケでもある、しゃべくり一本のお笑いはかっこいいし、今でもめちゃくちゃ憧れますが、これからの時代のお笑いは形が変わっていくでしょうね。
ネット時代で芸人の“売れ方”も変わる?
――そうなると、芸人さんの“売れ方”についても変わってきそうですね。
パーマ大佐:これまでは、テレビに出ることが売れるルートだったと思います。でも今、若い世代が一番見ているのはテレビじゃなくてスマホの画面ですよね。
だからスマホにたくさん現れ続けることがこれからの認知の近道。ネット発で売れる芸人がもっと増えていくでしょうね。そこで重要になるのは、YouTubeやTikTok、Instagram、Twitterなどの上手な活用なのかなと思うんです。
「お笑い」と一言で言っても、ネタの種類はさまざまで、ライブ向きのネタとテレビ向きのネタが異なるように、ネット向きのネタもあります。媒体に合ったネタの作り分けや出し分けが、今後は売れる鍵になるんじゃないかな?って思ってます。