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たまたま副業で10万円の収入があったら…「確定申告」しないとアウト?

コラム

事業所得と雑所得のどちらに区分されるか

 国税庁HPの定義を引用すると、事業所得とは「農業、漁業、製造業、卸売業、小売業、サービス業その他の事業を営んでいる人のその事業から生ずる所得」をいいます。

 これだと具体的に何なのか分かりづらいかと思いますが、要は「なんらかの商売で稼いだ所得」が事業所得ということになります。そして、「商売で稼いだ所得」に当たるか否かは、過去の判例を鑑みると、以下の点を総合して判断されます。

 ① 営利性・有償性の有無
 ② 継続性・反復性の有無
 ③ 自己の危険と計算における事業遂行性の有無
 ④ その取引に費やした精神的・肉体的労力の程度
 ⑤ 人的・物的設備の有無
 ⑥ その取引の目的
 ⑦ その者の職歴・社会的地位・生活状況

 これをもう少し理解するため、ポイントとなる要件をピックアップして具体的に見ていきます。

たまたま10万円の収入。これも副業か?

握手

 まず、「①営利性・有償性の有無」ですが、利益が上がっていないと事業とは言えないということです。事業をやる以上、一時的に赤字になることは有り得ますが、合理的な理由がないにも関わらず、何年間も数百万円以上の赤字を計上し続けるというのは不自然です。従って、何年も赤字の場合は、事業とは言えないと想定されます。

 次に「②継続性・反復性」および、「④その取引に費やした精神的・肉体的労力の程度」とは、年間のなかで2週間だけ土曜日に副業を行い、10万円を収入として得たとしても、それは、たまたま単発で得た収入であり、事業とは言えないということになります。

 そして、「③自己の危険と計算における事業遂行性の有無」とは、空間的・時間的拘束を受けて行った業務であるか。ないしは誰かの指揮命令系統の下で働いていないか。すなわち、サラリーマンと同じ状況であれば、独立した事業とは言えないということになります。

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