“残りカス”から生まれた大ヒット「バスクリン」のブランド戦略
入浴剤はと聞かれて、その名前を思い浮かべる人も多い「バスクリン」。実はバスクリンが社名だって知っていましたか? 企業情報アプリ「NOKIZAL(ノキザル)」を提供する企業分析のプロ・平野健児さんが解説します。
バスクリンの経営実態は?
入浴剤で知られるバスクリン(東京都千代田区)が4月3日、官報に掲載した第10期決算公告(17年1月~17年12月)によれば、売上高は139億2600万円(前年同期は136億1000万円)。
経常利益は11億2000万円(前年同期は10億1300万円)、累積の利益や損失の指標となる利益剰余金は23億7800万円(19億6600万円)だった。
「バスクリン」の創業は1893年。以前は「漢方のツムラ」でしたが、2012年より「アース製薬」の完全子会社となっています。
“残りカス”から生まれた大ヒット商品
創業者の初代・津村重舎が大和(奈良)から上京し、中将湯本舗津村順天堂として日本橋に店を構えて、婦人用煎じ薬「中将湯」の販売を始めたのがその発祥です。
その後、ある社員が「中将湯」の製造過程に出る生薬の残滓を風呂に入れたところ、体調が改善したことにヒントを得て、1897年に開発販売した銭湯向けの入浴剤「くすり湯 浴剤中将湯」が大ヒットを記録します。
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