中国人は3種類の「乾杯」を使い分ける!知っておきたい飲酒のマナー
前回の記事では、中国で最も消費されている白酒について紹介しました。中国人の宴席では、アルコール度数が50度を超える白酒でも、ストレートで一気飲みすることが少なくありません。実は乾杯の合図に、中国ならではの慣習があるのです。この記事では中国でお酒を飲むなら知っておくべき飲酒マナーについてご紹介します。
乾杯=グラスを空にすること?
「カンパーイ」
日本の居酒屋から、どこからともなく響いてくるお酒の席でのかけ声。会の始まりや遅れて来た人が席に着いたときに改めて号令をかけることもありますよね。
中国の乾杯の合図は「ガンベーイ(干杯)」です。発音はどことなく日本の「乾杯」と似ています。「干杯」の「干」は、日本語で使う「乾」の簡体字になるので、文字としての意味はほぼ同じ。
ただ、お酒の飲み方は大きく変わります。「干杯」のかけ声でお酒を酌み交わすとき、中国人はグラスに入っているお酒を全て飲み干すのです。それもそのはず「ガンベイ」の意味はグラスを空にすることだからです。
日本であれば「乾杯」の後は、一口だけ口をつける人もいれば、一気に飲み干す人もいます。いくらお酒が好きな人でも、乾杯の度に一気飲みする人は、よっぽどの酒豪だと思われてしまうでしょう。
前回の記事で、中国ではアルコール度数が50度になる白酒をストレートで一気飲みすることを紹介しましたが、これは「干杯」のかけ声によるものなのです。
優しい飲み方ももちろんある
でも、安心してください。お酒を飲めない人だっていますよね。実は「干杯」のほかにも、「半杯(バンベイ)」と「随意(スェイイー)」という飲み方があります。「半杯」はその名の通りグラスの半分だけ飲むこと。「随意」は自分のペースで少しずつ飲むかけ声です。
ただし、中国の宴席では、一人でお酒を飲むことは失礼に当たります。誰かと一緒に(同時に)酌み交わすことが礼儀とされるので、飲みたければ相手に近づく必要があるわけですね。
また、お酒を酌み交わす場でもメンツを保つことを大事にします。「干杯」と迫ってきたら、誘いに乗らないと相手のメンツを潰してしまうことになりかねません。この飲み方に、悪戦苦闘(?)してきた日本企業のビジネスマンは少なくないはずです。
とはいえ、「干杯」で相手との駆け引きを楽しむのが中国のお酒の飲み方なのかもしれません。筆者が深圳に滞在していた頃、友人との飲みの席で、若い中国人2人組と仲良くなり一緒に飲んでいたことがありました。その場では、ことあるごとに乾杯して一気飲みしていたのですが、まさに「干杯」の飲み方だったことが思い返されます。
中国式でお酒を飲む場合は、覚悟を決めて宴会に参加したほうがよさそうです。