社長の命令で猫を飼い始めたIT企業。リモート中に「誰が面倒を見るか」で波乱の顛末
最近では、社内でペットを飼う企業が多くなっています。リラックス効果があったり、社員同士の会話が増えるなどメリットは多々あるとはいえ、生き物ですからそれなりに問題を抱えることも少なくないようです。
今回、話を聞いたのは都内のITベンチャーに勤める安原浩平さん(仮名・25歳)。安原さんの会社では、およそ3年前に社長が「社内ペットで社員の癒しを!」というネット記事を見つけたことをきっかけに、社内で猫を飼うプロジェクトが進みました。
社員総勢で面倒を見ていた
会社で飼うことになった猫のマミちゃんは頭が良く大人しい性格だったため、皆が安心して飼育できたそうです。
「マミちゃんは人気で、会社にいくとまず触れ合っていました。ご飯の世話など、30人ほどいる社員で当番を決めて担当していたので、負担もそんなに大きくなかったんです。夜勤もあり、シフト制で週末も出勤している社員もいたので、マミちゃんも寂しくなることなく平和に暮らしていました」
リモートワーク中の世話はだれがやるのか?
社員の士気もあげていた社内ペット制度でしたが、2019年から新型コロナウイルスが蔓延してリモートワークが増えると問題が浮上したそうです。
「去年の秋頃から段々と仕事がリモートワークに切り替わっていきました。会社はIT系なので、もともとリモート対応だった社員もいましたし、働き方が変わることは大したことではなかったんです。でも、マミちゃんのお世話がネックとなった。これまでは夜も週末も社員がいたのに、誰も会社にいない日が出てくるようになってしまったんです。そうなると誰がマミちゃんのお世話をするかという問題が出てしまいました。
社内で相談した結果、持ち回りで世話をすることにしました。しかし、なかにはペット不可の賃貸に住んでいる社員もいますから、結局は一部の人ばかりがお世話をすることに」
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