コロナで「イライラする人」が知るべき理性の働かせ方。コツは6秒と3重丸
新型コロナで、イライラする人が増えています。オミクロン株が発生するなどまだまだ感染への不安があり、仕事でも日常生活でも行動制限されている部分も多く、ストレスを感じがちです。コロナ禍がいつまで続くのか分からないことでストレスが増して、怒りにつながることもあります。
今回は、そもそも人はなぜ怒るのかということや怒りの仕組み、腹が立った時の対処法について学んでいきましょう。日本アンガーマネジメント協会の参事でもあり、5000社以上のコンサルティングや取材を経験している、マネジメントコンサルタントの川嵜昌子さんに話を聞きました(以下、川嵜さん寄稿)。
身を守ろうとする機能が「怒り」
怒りは、喜怒哀楽といわれる感情のひとつですが、感情は、大脳の偏桃体というところで生まれます。爬虫類にもある原始的なもので、生存に関する重要な機能です。ある出来事や対象に対して、「好ましいか」「好ましくないか」を瞬時に判断します。たとえば、餌の発見は好ましく、それを強そうなライバルが狙っているのは好ましくない、という具合です。
好ましくないケースで命の危険を感じ、自分の身を守ろうとする機能が、動物にとっての「怒り」です。外敵に対して戦うのか、逃げるのかを一瞬で判断して動きます。そのために、心臓がドキドキして、血流が良くなり、全身に力が漲ります。
人間にとっての怒りは、心の危険につながる時に感じ、自分を守るための機能です。自分の考えや価値観、気持ちや大切にしているものを否定された時に生まれます。
コロナで“怒りっぽくなる”のはしかたない
怒っている人はよく「え~、信じられない。普通こうでしょう」とか「どう考えてもあっちがおかしいよ」などと言います。自分の「普通」「当たり前」が否定され、期待が裏切られたことが、心の危険につながり、好ましくないと脳が判断したのです。
さらに、怒りの燃料になるのは、そのときの状態です。不安や焦り、苦痛などのマイナスの気持ちがあったり、体調が良くない、空腹など、マイナスの状態だったりすると、ちょっとしたことでもイラっとします。たとえば、急いでいる時には、遅れる不安から、エレベーターがすぐに来ないとイライラしますよね。
コロナ禍の今、感染への不安、行動を制限される苦痛、新しい対応を求められるストレスなどが燃料となり、ちょっとした出来事で「なんでそんなこと言われなきゃいけないの」とか「はあ? なに、それ?」という心の危険が引き金になり、怒りが生まれているのです。