「なんとなくメガバンクを使う」でいいのか?みずほATM障害で考える
大規模なATM障害を引き起こした、みずほ銀行だが、同行は2021年の1月18日以降、「紙の預金通帳」発行の有料化に移行。さらに三井住友銀行も紙の預金通帳の有料化や口座の利用状況によっては手数料を徴収することを発表している。三菱UFJ銀行も特に希望しなければ最初からデジタル通帳を提供する。
このようにメガバンクでは手数料新設の動きが相次いでいるが、そもそもATM利用には都度110円から220円の手数料がかかる。通帳や口座維持、現金の引き出しなどに手数料を支払ってまでメガバンクに利用することについて、お金のプロに意見を聞いた。
メガバンクは便利だがデメリットも
そもそも、なぜメガバンクを使っている人が多いのか。それは企業との取引が多く、全国各地に支店があるから。元野村證券の資産運用アドバイザーの岩崎陽介氏は次のように語る。
「漫然とメガバンクを使っている人は多いですね。地方から都会へ進学した際、メガバンクで仕送りをされていて、社会人になってもそのまま使っている……という話をよく聞きます。地方銀行や信用金庫では支店が限られますが、メガバンクであれば基本的に全国どこでも支店がありますから。
そのほか、給料の振込先がメガバンクに指定されているため、自分の意志とは関係なくメガバンクを使っているということもあります」
知名度はもちろん、支店数やATMも多くて便利なイメージのあるメガバンクだが、ATM手数料や振込手数料が高いという印象もある。
手数料の低いネット銀行の活用
「支店数が多いことから考えても手数料の高さは致し方ないと思います。ただ、金融機関はメガバンクだけではありません。ほかの選択肢があること知ってください。ネット銀行であれば、条件付きでATMの利用手数料が無料だったり、ネット振込の手数料が低く設定されていたりと総じてお金がかかりません」
その理由として、取引は店舗ではなくてネットとなり、ペーパーレスにしているためコストが抑えられているから。その分だけ手数料も低く、定期預金の金利も高い。しかし、老舗のメガバンクに比べてネット銀行の歴史は浅く、安全性や破綻リスクに対して心配する声もある。
「そもそも、お客さんの資産と銀行の経営のための資産は分離されています。さらに個人預金者の預金は『預金保険制度』によって保護されているため、たとえ銀行が破綻しても1000万円とその利息分までは支払われます。ですから預金が1000万円以上あれば、預入先を分散させるなど意識すべきですが、それ以下であれば心配する必要はないのです」