東京メトロ銀座線の“新”渋谷駅、開業。総工費290億円で変わる渋谷の景観
渋谷駅やその周辺では大規模な再開発が進められている。
東京メトロも2009年2月から総工費290億円をかけて銀座線渋谷駅の移転工事に着手し、3回にわたる線路切替工事の末、2020年1月3日(金曜日)より供用を開始した。旧ホームとは“隔世の感”があり、いわゆるひとつのランドマークになりそうだ。
銀座線渋谷駅を中心に、“「これから変わりゆく渋谷」という名の世界”を御案内しよう。
銀座線初代渋谷駅フォーエヴァー
銀座線渋谷駅は東京高速鉄道時代の1938年12月20日(火)に開業。東急百貨店東横店の3階に設けられ、2面2線の相対式ホームを構えた。1番線は降車専用、2番線は乗車専用に分かれている。戦後、利用客が急増し、混乱を避けるためなのか、世界初の整列乗車が実施されたそうだ。
“昭和の古き良き薫り”は21世紀でも絵になる風景だ。しかし、降車側と乗車側ではルートが異なるので、不慣れな人にとっては迷路のような印象をお持ちの方もいるだろう。それに加え、各ホームとも幅員が約3メートルと狭いほか、駅構内にエスカレーター、エレベーター、トイレもなく、安全面やサービス面で課題を抱えていた(無論、東急百貨店内は完備)。
この状況を改善するため、渋谷駅街区基盤整備と連携し、銀座線渋谷駅を明治通り上空に約130メートル移転することが決定した。この位置にした決め手は、乗り換えなどの利便性など、様々なことを考慮したうえだという。併せてホームを島式1面2線にすることで、ホーム幅を約12メートルに拡大。わかりやすく、使いやすい駅に生まれ変わることになった。
2019年12月28日(土)0時37分、浅草0時04分発の渋谷行き終電が1番線に到着し、初代渋谷駅は81年の歴史に幕を閉じた。ほどなく6日間にわたる大規模な線路切替工事及びホームの移設工事が行なわれた。