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入社式にTシャツとジーパンで参加も…。新入社員があきれた、アパレル業界の体質

学び

 最近では働き方改革の一環としてオフィスカジュアルを導入している企業も増えてきていますが、ラフな格好はNGなどの漠然としたルールしかなく、コーディネートに苦労している人も多いのではないでしょうか。

ビジネスファッション

 憧れの老舗アパレル会社に、デザイナー部員として入社した尾崎翔馬さん(仮名・27歳)。入社式では、自社ブランドのTシャツとジーパンで、キメたつもりが、周囲はネクタイにスーツと一般企業のファッションスタイル。

 式が終了してから、上司に呼び出された尾崎さんは、驚くべきことを言われたのです。

新入社員の不満が爆発した理由は「スーツ着用」

「上司が『社会人になったらそれに相応しいファッションをするべき』と言うのです。せっかくアパレル会社に入ったら、かっこいい服を着たいのに、カジュアルファッションも禁止で、スーツとネクタイ必須でした。営業ではなく、内勤のデザイナーなのに自分の会社のブランド品も着られないなんて、ふざけていますよ」

 他の新入社員も、尾崎さんと同様に、ネクタイとスーツの企業ファッションを強制されたようですが、彼らからのクレームはゼロ。企業体質だけでなく、そんな言いなりの新入社員にも、尾崎さんは「ついていけない」と思ったそうです。

「僕は上司に『これだと自由も個性もない』と直訴しました。そして、『社員のファッションから変えていかないと、アパレル業界の競争に勝てない』とも言いました。ですが、上司は耳を貸してくれるどころか、入社直後の配属の時点で、僕をデザイナーから事務職に異動させてきたのです。もともとデザイナーとして採用されたので、完全に寝耳に水でした」

入社してわずか1年で退職。学んだことは…

ビジネス スーツ

 憧れの会社に入社してみたものの、古い企業体質にうんざりした尾崎さん。入社してわずか1年後には退職を決めます。そして、「今後のキャリアプランをしっかり持とう」と考えたそうです。

「アパレル業界に入ってわかったのは、いくら個性的なデザインやカジュアルなファッションを取り扱っている企業でも、社内の体質はカジュアルでなく、一般企業と変わらない堅苦しい点がたくさんあるということです。

 また、夏場は、クールビズとしてカジュアルなファッションを許しても、10月に入ると、ほかの企業のようにネクタイにスーツという個性を潰すようなビジネスファッションを社員に強制していました。僕が入社した企業も、内定辞退者が多いことがわかり、事前に確認すべきだったと猛省しました」

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