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相模鉄道「都心直通」で誕生、20年ぶりの新駅は何がスゴいのか?

ビジネス

「皆様御覧ください。相鉄・JR直通線の開業日は、2019年11月30日となります。新たに誕生する、羽沢横浜国大駅も同時開業となります。相鉄線はいよいよ西谷(にしや)駅から、羽沢横浜国大駅を通り、JR線に乗り入れて、新宿方面と相互直通運転を開始いたします」

かしわ台車両センター

かしわ台車両センター(神奈川県海老名市)で、相互直通運転開始日の共同発表が執り行なわれた(左から12000系、そうにゃん、滝澤秀之相模鉄道社長、廣川隆JR東日本横浜支社長、Suicaのペンギン)

 司会の女性が落ち着いた口調で、相鉄(相模鉄道)とJR東日本の相互直通運転開始日を報道陣に発表した。事業認定から13年という長い歳月を経ての開業に、滝澤秀之相模鉄道社長、廣川隆JR東日本横浜支社長は安堵の表情を浮かべていた。令和初の新線開業により、相鉄の車両はついに“花の都、大東京”に顔を出す。

新法制定後、初の鉄道路線がついに開業へ

「都市鉄道等利便増進法」は2005年に制定。都市鉄道の既存ストックを有効に活用して行なう速達性の向上、駅施設の利用円滑化を対象とした鉄道整備手法である。この制度は、整備主体と営業主体が分離する「受益活用型上下分離方式」が採用されている。

相模鉄道

相鉄の未来を担う“グリルブラザーズ”(左は相鉄・東急直通線用の20000系、右は相鉄・JR直通線用の12000系)

 その第1号案件として、相鉄本線西谷駅を起点とした「神奈川東部方面線」が決まり、相鉄・JR直通線(約2.7キロ)が2006年11月21日に、相鉄・東急直通線(約10.0キロ)が2007年4月11日にそれぞれ国土交通大臣より事業認定された。

 各線の事業費については、国、地方公共団体(神奈川県、横浜市)、鉄道建設・運輸施設整備支援機構(以下、鉄道・運輸機構)が3分の1ずつ負担。相鉄と東急(東京急行電鉄)が施設使用料(受益相当額)を鉄道・運輸機構に支払う。また、神奈川東部方面線のうち、日吉―新横浜(仮称)間は「東急新横浜線」、新横浜―西谷間は「相鉄新横浜線」という路線名称が決まった。

 2019年11月30日に開業する相鉄新横浜線は、羽沢横浜国大―西谷間の1区間のみ。新横浜―羽沢横浜国大間および、東急新横浜線は、2022年度下期の開業を目指す。

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