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「ギラギラ女子」はなぜいない?女性社員が活躍できる職場の生み出し方

学び

育児と仕事の両立を難しくしている原因

 日本において、育児と仕事の両立を難しくしている原因のひとつに「周囲の視線を気にしすぎる」という問題があります。たとえば、育児と仕事の両立のためにはベビーシッターを雇うというのもひとつの有効策ですが、日本ではあまり積極的な利用が見られません。

 実際、欧米では当然のようにシッターサービスを利用する文化があるため、日本では出産から職場復帰まで少なくとも1年以上かかるところ、半年くらいで復帰できている印象です。日本も核家族化が進み、祖父母の協力を得づらくなっているわけですから、積極的に活用すればいいと思うのですが……。

「会社を休めばいいのに、シッターを雇うなんて」という周囲の視線を”勝手に”感じてワンオペ育児に陥り、「育児のせいで十分なアウトプットができない」と思うようになると、職場に残ることは難しくなるでしょう。

 実際には周りから見ても一生懸命頑張ってる女性社員が、過度なプレッシャーにより望まぬ退職を選択するというのは、残念なことです。

 昨今は、どの企業も「女性活用」と声高に叫んでいますが、必ずしもこうした現実を理解しているわけではありません。ただでさえ、お子さんを抱える女性は、仕事を続けるにあたり、保育園探しなど大きなハードルを越えています。

 そうまでして職場に戻ってきているわけですから、その思いを職場全体として理解し、応援する環境を作りましょう。

女性活躍のためには、実は男性側へのケアも欠かせない

 子育ては女性だけでなく、夫婦で行うものです。そうすると、女性社員だけでなく、小さな子をもつ男性社員へのサポートも重要です。

 トップキャリアの方を見ていると、夫婦ともに仕事をバリバリしているといったケースもよく見ます。そうした場合、妻がどうしても外せない仕事があり子どもの面倒を見られないということもあるでしょう。このときに、夫が動けるように、職場として配慮することが求められます。

 保育園にしても、熱が出れば、どちらかが引き取りに行かなくてはいけません。私自身経験がありますが、どんな仕事を抱えていても、子どもを保育園に置いておくことはできません。

 これはかなりのプレッシャーです。ここで、夫婦ともに育児に理解のある職場であれば、柔軟に対応できるようになるのは、言うまでもないでしょう。

 私が以前勤めていたパソナは、女性活躍が進んでいる会社でした。女性社員が当たり前に仕事と育児を両立させている環境でしたから、周りの目を気にせず仕事をできていたようです。その結果、お互いをフォローしあって、彼女たちは大きな成果をあげていました。

 このように、女性が活躍できる”空気づくり”をすることで、ギラギラ女子は増え、個人にとっても、企業にとっても、良い影響が生まれることが期待できます。

高本尊通

高本尊通氏

<構成/小林義祟>

1972年3月7日生まれ。大学卒業後、パソナに入社。大手特別法人営業グループ責任者を経て、企画、アライアンス、業務改革担当として活躍後、2004年、株式会社プロフェッショナルバンク設立に参画。これまで約7000人あまりのキャリアに携わり、特に30代、40代の転職市場の現場に長く携わってきた。2012年にビズリーチ社の「日本ヘッドハンター大賞」、同年から2年連続で「リクナビNEXT AWARDMVA」を受賞するなどし、16年にはビズリーチ社によるヘッドハンターランキングで約1500人中第1位を獲得している

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