20代のうちに身につけたい「ストレスとの上手な付き合い方」
なかなか思うように仕事で結果が出せず、悩んでいませんか?
厳しい現実を目の前に「逃げ出したい!」と思っても、現実的には難しいですよね。では、そんな悩みやストレスにどう立ち向かったらよいのでしょうか。
日々感じているつらいストレスに立ち向かう手段として今、注目されているのが「首尾一貫感覚」という考え方。今回、著書『「首尾一貫感覚」で心を強くする』(小学館新書)を上梓したばかりの心理カウンセラー、舟木彩乃さんに話を聞きました。
20代に向けたアドバイス
――そもそも「首尾一貫感覚」という言葉は初めて耳にしました。
舟木彩乃(以下、舟木):そうですよね。たぶん、ほとんどの読者の方はピンとこないかもしれません。実際、私のカウンセリングでも「首尾一貫感覚」という専門用語はあまり使わないようにしています。
――え、そうなんですか!
舟木:やはり専門的すぎると、理解しづらかったり混乱したりする方も多いので、もう少し噛みくだいて、別の表現に言い換えるようにしています。
首尾一貫感覚は、もともと1970年代に医療社会学者のアーロン・アントノフスキー博士が提唱したもので、主に3つの感覚で構成されています。
◆把握可能感=「だいたいわかった」
◆処理可能感=「なんとかなる」
◆有意味感=「どんなことにも意味がある」
これらの感覚を高めていくことで、生きていくうえで非常に過酷な状況下においても、ストレスとうまく付き合えるようになるという考え方です。
スティーブ・ジョブズは「把握可能感」の高い典型
――たしかに一瞬、言葉だけだとピンとこないかもしれませんね。たとえば「把握可能感」とはどういうものでしょうか?
舟木:私が「把握可能感」の高い典型だと思うは、米アップルの元CEOのスティーブ・ジョブズ氏です。世界にイノベーションを起こす「時代の先駆者」であり、プレゼンの達人でもあったジョブズ氏は、いま何が問題で、これから何が起ころうとしているのかをリアルに把握できていたから、世界を変えることができたのだと思います。
一方、「なんとかなる」と思える「処理可能感」は、「ドラクエ」などのRPG(ロールプレイングゲーム)で経験値を上げていくイメージに近いです。
――「ドラクエ」ですか!(笑)
舟木:「処理可能感」は、「なんとかなる」「なるようになるから大丈夫」という感覚ですが、そのカギとなるのは「仲間と武器」なんです。