職場でパワハラ相談されたら、どうすべき?問題を“こじらせる”のは…
会社側の立場は?意外と淡々としている…
そして、会社側の立場としては、まず「相談者の感情を助けたい」と考えます。
が、それは必ずしもパワハラの事実を認定し、加害者を処罰するということではないのです。会社にとってパワハラ事実の有無判定は、あくまで一連の定められているプロセスです。そこに相談者(被害者)と相手(被疑者・加害者)の感情の割り込む余地はなく、単に事実の有無を判定するだけです。
このように、パワハラに関わる3者の求める内容や優先順位が異なることを認識せず、「訴え→調査→判定と処罰」を行っている限り、多くのわだかまりが生じることは容易に想像がつきます。
パワハラに主治医はどう対応するのか?
対処案としては、パワハラの判定プロセスが定められているのと同じように、相談者の精神面のフォロー体制もしっかりと構築し、感情の救済も並行して行えるようにすることがあげられます。
具体的には、主治医はパワハラ判定ではなく医学的判断に徹し、会社は相談者の感情の救済(産業医やカウンセラーなど)と事実の有無の認定(調査委員会など)を並列して進めること、そしてそのようなパワハラの解決に向けた各自の役割について、日頃から関係者が知っておくことが大切だと思います。
このような対応をしていても、パワハラの問題は、関係者全員満足の結果になることは稀で、非常に難しいものと感じています。