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職場でパワハラ相談されたら、どうすべき?問題を“こじらせる”のは…

学び

 近年、企業で働く人の3人に1人が、過去3年間にパワハラを経験しているといいます。国もその対策や解決を声高に求め、対策を立てる企業も増えてきています。

 しっかりとパワハラ対策がなされている企業でも、実際に社員から相談があっても、解決すべきパワハラ問題を逆にこじらせてしまうケースが少なくありません。

怒る女性

※画像はイメージです(以下同じ)

 私は産業医として年間1000人以上の働く人と面談をしています。パワハラの最初の相談窓口となることも多々あります。一方からしか話を聞かない私の役割は、決してパワハラの有無の判定ではありません。パワハラ問題をこじらせないために、初期対応を注意しています。

 今回はその注意点についてお話しさせていただきます。あなたが、同僚からパワハラ相談を受けた時、この話を思い出していただけると幸いです。

パワハラの初期対応は2つの要素がある

 パワハラ問題への初期対処には「感情の救済」と「事実の認定(クロなら処罰も)」という2つの異なる要素があります。

 この2つの要素があることと、その要素の優先順位が、ハラスメントに関わる立場によって異なることが、多くのハラスメント問題をこじらせているようです。

 まず、パワハラを受けた相談者は「救われたい」という感情と、「パワハラを自分が受けた」いう事実を認めてほしい、そしてできれば相手を処罰してほしい」という希望があります。

 一方、パワハラをしたとされる相手には多くの場合、そのようなクレームが出たことに対する怒りや失望、落ち込みといった反発の感情が生じます。そして、「そのクレーム内容が事実とは認定されたくない」という事実への否定や、もしくは「自分はパワハラをしていない」と考えるに至りますが、後者のほうが多いです。

 ハラスメントとは「加害者の意図に関係なく行われたこと」と定義されていますから、このような反応は当然なものともいえます。

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