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世界一“星”の多い東京。知られざる「ミシュランガイド」調査員の実態から上陸15年間の変遷まで担当に聞く

グルメ, ビジネス

ミシュランガイドは今日のガイドブックの先駆け

1900年に発刊された初版のミシュランガイドのレプリカ

1900年に発刊された初版のミシュランガイドのレプリカ

道路地図はもちろんのこと、車の修理ができる場所、郵便局、宿泊施設などが記され、さらにはタイヤの交換や給油の仕方といった車のメンテナンス方法を紹介したり、日の出・日の入り時刻が記載されていたりと、ドライバーが必要な情報を網羅した冊子だった。

今日のガイドブックの先駆けとして、1900年からしばらくの間はタイヤを購入したお客様にミシュランガイドを無料で配布していました。その後、1920年からは有料で販売するようになり、星によるレストランの格付けをスタートしたのは1926年でした。さらに、星でレストランを評価するためには専任の調査員を自社で抱え、公正な評価・審査を行うべきだと考え、1931年から三つ星による評価システムを開始、その2年後には匿名調査員制度を開始しました」

ミシュランガイドの星の定義

そんなミシュランガイドの星の定義は、今も昔も変わらない。

★ 「近くに訪れたら行く価値のある優れた料理」
★★ 「遠回りしてでも訪れる価値のある素晴らしい料理」
★★★ 「そのために旅行する価値のある卓越した料理」

料理の評価は、以下の5つを基準に据えているという。

①素材の質
②料理技術の高さ
③味付けの完成度
④独創性
⑤常に安定した料理全体の一貫性

ちなみに、ミシェランガイドはあくまで「料理の評価」に特化しており、お店の雰囲気や装飾、サービスなどは評価基準に加味していないという。

これは、1972年にフランスのパリで誕生したレストランガイド「ゴ・エ・ミヨ」のそれと一線を画すものになっている。

ゴ・エ・ミヨがレストランやシェフ、生産者、サービスなどに注目して総合的に評価するの対し、ミシェランガイドは、ヒトとモノのモビリティに貢献し、その先に広がる食事の喜びや美食体験を届けるという思いのもと、レストラン評価の際の独立性や匿名性を貫いている。

これこそが、ミシュランガイドにおけるブランドや信頼が確立された要因といえるだろう。

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