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「こんなイカサマをやるために記者になったんじゃない」業務の半分以上が囲碁!某業界新聞社の謎|職場ミステリー

コラム

編集長に「なぜ会社で囲碁をやるようになったのか」尋ねた

囲碁 対戦

 毎日囲碁の対局をすることが仕事の一環になっていることに嫌気がさした23歳の佐藤という同僚が、編集長に「なぜ会社で囲碁をやるようになったのか」尋ねたことがありました。

 すると40代後半の編集長が、「新人の頃からすでに社内で囲碁が恒例になっていた。社史がないので明確にわからないが、昭和の時代からの伝統」と答えたので、須藤さんは会社の歴史と共に囲碁が存在することを受け入れたそうですが、大卒新入社員の佐藤はそれでも釈然としない表情だったそうです。

 囲碁は業界の組織の集会場所や記者クラブの部屋や会議室で行われていました。記者たちは取材の合間に、暇な管理職は毎日昼から午後にかけて、囲碁を通じて会員企業との親睦を深めることが目的なのです。そのため新聞社主催の囲碁大会はなかったそうです。

囲碁ができないと記者クラブでも孤立してしまう

囲碁ができないと記者クラブでも孤立してしまうため、記者としての居場所作りのための囲碁でした。会社の慣例に従わないと居場所が厳しくなります。でも心の中では、囲碁をやるために記者になったわけじゃないとくすぶったこともありましたね。現に囲碁が嫌で取材を装って外出する記者もいたり、うつ状態になって出社拒否して退社した人もいました。同僚の佐藤も、出社拒否の一歩手前までの精神状態でした」

 そしてとうとう気持ちが爆発してしまうことが起こったのです。

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