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WBC侍ジャパン選手も愛用の「ミズノ」。国内トップシェアを誇る理由を担当に聞く

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プロ野球界のトップ選手が使うグラブは野球人の“憧れ”だった

なかでも、1976年にミズノが発売した「ワールドウィン野球グラブ」は、通称“赤カップ”の名で親しまれ、当時のプロ野球選手の約6割以上がそのグラブを使用していたという。

そのため、赤カップのグラブを使用するのは、野球人にとっての“憧れ”となり、ミズノの野球グラブが人気を博すのに大きく寄与したのだ。

また、プロ野球選手とアドバイザリー契約(現 アンバサダー契約)を結んだのも、ミズノが先んじて行った取り組みになっているそう。

「トップ選手への憧れが、アマチュアプレーヤーにも更なる波及効果を与え、ミズノのグラブが多くの人々に愛されてきた所以だと考えています」

2001年、イチローが日本人野手としては初のメジャーリーガーとしてマリナーズへ移籍した際には、市販の量産品として「イチローモデル」のバットやグラブ、手袋などを発売。

「イチローモデル」の市販品

「イチローモデル」の市販品の写真

以後、”〇〇モデル”が定着したのも、ミズノがトップ選手モデルを発売し始めたことが要因になっているのではないだろうか。

打球速度の速さに耐えうる立体形状を追求

加えて、時代の変化とともにグラブ作りにおける技術を進化させてきたのも、ミズノの野球グラブが多くの野球人に受け入れられる土壌になっている。

1990年代〜2000年代にかけては、捕球しやすい3Dの形状にこだわった。

また、投げる・打つといったプレイヤーの野球技術はもとより、筋力トレーニングの発展によって野球選手の体格が向上し、ピッチャーの投げる球やバッターのスイングスピード、打球速度などが昔と比べて格段に上がっている。

WBCに出場した大谷翔平選手や佐々木朗希選手は165kmの豪速球を投げ、村上宗隆選手の打球速度は驚異の185キロ。

こうした超速のスピードに耐えられるよう、最近のグラブでは4Dの形状で製造しているそうだ。

「打球速度の速さはもとより、最近では投手の投げる変化球も多彩になってきており、バッターがゴロを打つと揺れやすくなっています。野手がどんな打球に対してもエラーを起こさず、確実に捕球するためには、グラブの軽さや操作性などが求められています。このように、ミズノは昔も今も職人技を大切にし、常に品質や時代に求められるニーズを捉えながら、野球選手がプレイしやすいグラブ作りを心がけてきました」

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