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負債1億円で東大発ベンチャーが倒産。自殺者まで出た“株券印刷業”の末路/2022年下半期BEST10

ビジネス

2018年に不適切取引が発覚

 テラは2018年に最重要取引先である医創会との不適切取引が発覚しました。創業者の矢崎氏は医創会をコントロールする立場にあるとされており、医創会は医療法7条等で禁止されている営利目的での病院開設に抵触している恐れもありました。

 2018年9月の取締役会で、矢崎氏の代表取締役の解職を決議。遊佐精一氏が代表取締役社長に就任しました。医創会との契約は2019年1月末で解除。医創会は2021年1月に民事再生法の適用を申請し、倒産しました

 テラは2018年12期に5億1600万円の売上高を計上していましたが、2019年12月期は半分以下の2億200万円。このころから、テラの迷走ぶりが加速します。

コロナ感染拡大を資金調達のチャンスに転換

売上 低迷

 業績の低迷が鮮明になってすぐの2020年4月、CENEGENICS JAPAN(セネジェニックス・ジャパン)との共同研究契約を締結したと発表。この契約により、新型コロナウイルス感染症に有効な新薬の開発に関わる事業を開始するとしたのです。2020年6月には、メキシコで新型コロナウイルス治療薬の臨床試験が実施されていることを確認したとのニュースを出します。

 テラの株式は100円前後で取引されていましたが、2020年6月に2000円台まで急騰。テラは投資家の期待感を煽るようなIRを連発します。2020年9月には新型コロナウイルス治療薬がメキシコのイダルゴ州で薬事承認を得たと開示しました。

 これらはまるで株価をつり上げることが目的のようにも見えました。

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