バブル以来の高騰で家は買いづらくなる?首都圏の地価は「三極化していく」
三極化するなかで選ぶべき場所は?
ちなみにベッドタウンとは、都心に通勤する人の住まいとして形成された住宅地のこと。首都圏では鉄道が放射線状に伸びており、沿線で発達した住宅地を思い浮かべるとわかりやすいはずです。
不動産は人口動態の影響を強く受けます。総務省統計局が今年4月に発表した「人口推計」では、人口の自然減が約60万9000人でした。少子高齢化の日本では今後も人が減っていくのは明らかです。長嶋さんは「人口減少は2050年ころに落ち着くと言われています。つまり、三極化はそこまで続くと考えて良いでしょう」と予想しています。
三極化をふまえて買うべき場所を探ると、どうなるのでしょうか。
「もし将来的に自宅の売却を視野に入れるのでれば、資産価値が上がり、高く売れる可能性が高い上位15%の場所に買うのが良いですね。でもこうしたエリアは物件価格も高いので、70%のエリアの中で利便性が良く、価値の下落がなだらかな場所を選ぶようにしましょう」
毎月の返済に無理がないのが一番
「仮に5000万円で家を買ったとして、10年後に5000万円で売れるような場所であれば持ち家のメリットがあります。賃貸と違って賃料を払わず、さらにローンも完済できますし、5000万円よりも高く売れれば売却益も手にできます。対して10年後に価値が3000万円にまで下がってしまうと、ローンの残債が売却価格を上回り、家庭内債務超過状態に陥ってしまいます。
つまりは持ち家ではなく賃貸のほうがいいことになりますよね。明らかに価値が下がるであろう場所にわざわざ買う必要はありません。家選びは、中古車のリセールバリューの考えに似ています。もし売ることを前提にするなら、乗り続けても価値が下がりづらい車を買いますよね」
では、売却をしない場合はどうでしょうか。
「住み続けるのであれば、どこに住んでも構いません。毎月の返済に無理がなく、家を持つことで自分も家族も幸せになればその住まい選びは成功です」