バブル以来の高騰で家は買いづらくなる?首都圏の地価は「三極化していく」
東京圏でこの1年間に地価が上がった場所
しかし、あまりにも物件価格が高いと借り入れも高額になりますから、できるだけ低めに抑えたいと思うのは自然です。そうなると、都心から郊外へ人が動くようになります。実際、東京都に隣接する神奈川県、千葉県、埼玉県でも地価が上がっています。
長嶋さんは「東京の都心部は一等地が多く、住宅の価格は上がります。そのため、よりリーズナブルな住まいを求めて郊外に目を向けるようになった」と見ています。
2020年から流行が始まった新型コロナウイルスにより、ライフスタイルが変わったことも郊外への需要が高まった要因です。在宅勤務であれば住む場所の制約が弱まります。出社日が週に1~2日に減れば郊外に住んでも構わないと考える人が出てもおかしくありません。郊外の中でも都心へのアクセスが良い利便性の高い場所であれば、なおさら人気が高まるものですね。
茨城県つくばみらい市がNo.1の理由
これを裏付ける結果が、最新の基準地価に現れています。東京圏の住宅地における上昇率トップ3位を茨城県つくばみらい市が独占しました。都心から約40km離れており、秋葉原駅から各駅停車で50分弱かかるだけに、意外に感じた人はいるかもしれません。
長嶋さんは「つくばエクスプレス沿線では三郷中央駅(埼玉県)のように都心に近い場所がすでに人気ですが、さらに遠い場所でも構わないと感じる人が増えたためでしょう。それだけ、距離を許容するようになったと言えます」と分析します。