当初は「売れない」と酷評。ロッテのクーリッシュ、唯一無二な存在感の秘密
飲用シーンの拡大を目指す
アレルギーフリーやRTDといった新たなチャレンジを始めた「クーリッシュ」。これから目指すことは何だろうか?
「これまでは老若男女に親しんでもらってきましたが、これからは世代や性別だけではく、飲用シーンを広げていきたいです。また、原点回帰も意識しています。全国発売された2004年は、アテネオリンピックで北島康介さんの名言『チョー気持ちいい』が流行。『クーリッシュ』を飲んでチョー気持ちいい人生を送ってもらいたいということを意識するようにしており、クールな暮らしのお供に選んでもらえるようにしたいと考えています」
飲用シーンの拡大は可能性が無限にある。アイス以外の経験も豊富な平井氏にかかる期待は大きい。
ダイナミックなキャリアで広がった視野
平井氏はロッテ入社後、アイスの営業を経て冷菓部門のロッテアイス(現在はロッテに吸収合併)にて「爽」や「レディーボーデン」などの開発を担当。その後、千葉ロッテマリーンズに出向し、グッズの開発を担当した後にロッテを退職している。他社に転職し、デジタルマーケティングやブランドマネージャーを担当したが、縁あって2021年末にロッテに戻ってくることになった。
他社を経てロッテに復帰というダイナミックなキャリアを歩み、現在に至っているが、これまでの経験は今の仕事のどのように生きているのだろうか?
「営業時代は売り場に立ってお客さんの生の声を感じることができましたし、マリーンズではグッズ開発全般を担当し、視野が広がりました。転職先ではロッテ以外のブランドマネジメントを学べたり、ツイッターの中の人を担当したりしてきました。ロッテに戻ってきてから最初の半年間は、ゼロから新ブランドの立ち上げに関わりました。これまでの経験を振り返ると、全部つながっているように思えます。
転職先でのブランドマネージャー経験、ロッテに復帰し、新ブランドを立ち上げる時の考え方を学んだことなどを経て、現在『クーリッシュ』のブランドマネージャーという立場に立っています。デジタルマーケティングの経験もあるので、こういう商品を出したらどういう反応をしてどういうつぶやきをするかまで意識して、ものづくりができることに役に立てると思っています」
果たして、「クーリッシュ」はこれからどのような展開を見せるのだろか。今後も目が離せない。
<取材・文/大沢裕司>