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当初は「売れない」と酷評。ロッテのクーリッシュ、唯一無二な存在感の秘密

ビジネス

食の多様化や環境配慮した商品を発売

クーリッシュ

クーリッシュ Greenバニラ。テスト販売のため、なくなり次第販売終了

「クーリッシュ」は2022年に入り、「飲むアイス」というコンセプトはそのままに、新たな展開を開始した。まず3月に「クーリッシュ Greenバニラ」を一部の小売店限定で販売開始。欧米でデイリーフリー(乳製品不使用)製品が伸びていること、食の多様化や環境配慮への対応、牛乳や卵にアレルギーのある人たちにも飲んでもらいたいという思いから、植物性ミルクを使った。

 テスト販売は現在も実施中。在庫を完売するまで販売を続ける。全国発売については検討中だ。「クーリッシュ Greenバニラ」は他の「クーリッシュ」とは売れ方が異なるという。

「売れ行きが気温に左右される『クーリッシュ』と違い、『クーリッシュ Greenバニラ』は売れ行きが気温に左右されず一定しています」

 売れ方の違いは、購入動機が異なるからだ。「クーリッシュ」は主に「暑いから」といったものだが、「クーリッシュ Greenバニラ」は「アレルギーの心配がない」。季節に関係ない理由なので、売れ行きが一定している。

ブランド初のアルコール飲料を発売

クーリッシュ

クーリッシュ フローズンサワー2種(左:レモンサワー、右:グレフルサワー)。テスト販売のため、なくなり次第販売終了

 また6月から、初のアルコール飲料「クーリッシュ フローズンサワー」をテスト販売した。レモンサワーとグレフルサワーの2つを用意。現在は一部のECサイトでのみ販売しているが、以前は一部の小売店、ZOZOマリンスタジアム、8月に開催された「ROCK IN JAPAN FESTIVAL 2022」の会場で販売したこともあった。

「クーリッシュ フローズンサワー」はRTD(レディ・トゥ・ドリンクの略。缶チューハイなど開けたらすぐ飲めるアルコール飲料のこと)市場の活況を受けて開発。パウチ容器を使い、シャリシャリ感が楽しめるフローズンにすることで、これまでの缶入りRTDにネガティブな面が解消できると判断した。

「缶で飲むと途中でぬるくなったり、飲みかけたものにフタを閉めることができなかったりします。クーリッシュだとこうしたネガティブなところが解消できるところに可能性が感じられました。最後まで冷たく飲めますし、途中でキャップが閉められるほか、飲み切った後は缶より小さくできるのでゴミも減らせます」

 ZOZOマリンスタジアムでは想定以上に売れ、アマゾンでは予定数量を完売してしまったほど。将来的には、フローズンアルコールというカテゴリーを築きたいという。

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